「本草」は、中国古代の薬物学の総称で、草、穀、野菜、果物、木、虫、鱗、介(貝)および禽(鳥)、獣、金石、水、土、火、服器(衣料・器)、人などの部類を包括しています。医者は患者の外面に現れる現象や兆候を基に、本草の組成を以て単味薬、或いは複数の薬剤を調合します。七世紀以降、非常に多くの漢方医学の書籍と医学の知識が日本に伝来しました。十五世紀からは、中国や朝鮮の医薬文化の交流も日増しに頻繁になりました。日韓両国は中国の医薬書を参考にして、本草と医薬書を続々と編纂、編集しました。当コーナーでは、《経史證類大観本草》、《本草綱目》など医師の経典、及び採薬図、馬宝など珍奇な文物を通して、皆様を古代薬物学の世界へとご案内します。同時にまた日本で編纂された《薬種抄》、《本草和名》や朝鮮の《医方類聚》、《郷薬集成方》から、中国伝統医学が東南アジアに与えた影響力と伝播の軌跡をご紹介いたします。