國立故宮博物院 国立故宮博物院

巧みさが天然をしのぐ服飾工芸

貴州に於ける少数民族の衣装製作工芸は、繁雑であったり、単一工法を施したり、或いは数種の巧みな技を組み合わせたりしており、図案も多様且つ鮮やかで、一見の価値があります。各民族は、染色・刺繍・織物・銀飾り等のいずれも、自らが得意とする技術を有しています。例えば刺繍の精緻さ、染色の巧みさ、織物の真剣味、鍛銀の華麗砂さは、ため息が出るほどの美しく、その智慧の含蓄と美感の趣を充分に呈しています。この他、貴州の少数民族の歴史文化は、完全に同じではなく、伝統衣装の図案も具体的且つ如実に、言語文字では表現しにくい感情や故事、記憶を伝えています。参観の皆様は、この単元をご覧になって、あたかも貴州少数民族の服飾の発展史を読んでいるかのように感じるに違いありません。

凱里革家蝋染め負ぶい紐

1960-1970

凱里革家蝋染め負ぶい紐
  • 長さ 80cm
  • 幅 456cm

この負ぶい紐は、革家の女性が蝋で絵を描いて防染した後、再度藍染めをして負ぶい紐用に作ったものである。負ぶい紐の図案の多くは自然界のもの、例えば、鳥や魚、蝶などで、子供の加護を祈る意が込められている。この負ぶい紐は、帯巻き草と鳥を用いて丸い刺繍模様に仕上げられており、活き活きとしていて趣がある。

輔仁大学織品服装学科「中華服飾文化中心」

丹寨県苗族蝋染め布団カバー

1930-1950

丹寨県苗族蝋染め布団カバー
  • 長さ 124cm
  • 幅 83cm

丹寨地方の苗族の女性達はろうけつ染めを日常生活の全ての織物に施しており、図案は主に鳥や昆虫である。このふとんカバーは、花と尾長鳥をテーマとしており、中央は4つの花を用いて菱形の構図になっており、また四羽の鳥が各菱型に側にアレンジされている。全体的に左右対称の構図で、簡潔且つ力がある。

輔仁大学織品服装学科「中華服飾文化中心」