貴州に於ける少数民族の衣装製作工芸は、繁雑であったり、単一工法を施したり、或いは数種の巧みな技を組み合わせたりしており、図案も多様且つ鮮やかで、一見の価値があります。各民族は、染色・刺繍・織物・銀飾り等のいずれも、自らが得意とする技術を有しています。例えば刺繍の精緻さ、染色の巧みさ、織物の真剣味、鍛銀の華麗砂さは、ため息が出るほどの美しく、その智慧の含蓄と美感の趣を充分に呈しています。この他、貴州の少数民族の歴史文化は、完全に同じではなく、伝統衣装の図案も具体的且つ如実に、言語文字では表現しにくい感情や故事、記憶を伝えています。参観の皆様は、この単元をご覧になって、あたかも貴州少数民族の服飾の発展史を読んでいるかのように感じるに違いありません。
苗族の錦織りの中でも、革一苗族の負ぶい紐の錦織の技術は極めて長けている。黒の綿糸を地に使用し、様々な色の糸と夾緯挑織り技法を用い複雑な色彩と模様の変化を表現している。この負ぶい紐の模様は、花や鳥、蝶をテーマとしており、デザインは白で縁取りをし、灰色・赤・綠・黄色などのカラーをアレンジしており、華麗かつ精密である。
輔仁大学織品服装学科「中華服飾文化中心」
土家族の花を織り込んだ布団、又の名を、「西蘭卡普」と言い、嫁ぐ時の最も大切な嫁入り道具である。織り方は、そのほとんどが綿糸を縦糸に、絹や麻を緯糸にし、さおり方式で花の模様を織っている。西蘭卡普を織る織機は、複雑な模様を処理しなければならないため、一般には反織り技法を使用。挑織り方式は精緻な線や色彩、及び幾何学的な花の模様を織ることができる。
輔仁大学織品服装学科「中華服飾文化中心」
