國立故宮博物院 National Palace Museum

民族のロゴマーク—貴州に住む少数民族衣裳の紹介

貴州各地の少数民族、及び傍系は、民族の特性とアイデンティーを維持し、絶えることのない普遍的な民族の歴史や伝説・信仰・風俗等の要素を、日常生活と密接な関係にある衣装と飾りの中に採り入れ、独自の特色を有し、且つ豊富で多様な衣装文化を服飾文化を形成し、各族のイメージの特徴を証明する重要ロゴマークとなっています。参観の皆様には、当単位の実物展を通してご紹介し、貴州各地の少数民族衣装の伝承や発展は封鎖、孤立されておらず、互いに民族間の交流に依って影響を与えあっていることをご理解頂いた上で、きらびやかな多様な様子をご覧頂きたいと存じます。

台江施洞苗族男女盛装

二十世紀中期

台江施洞苗族男女盛装
  • 衣 長さ 73cm
  • 衣袖幅 142cm
  • ズボン 長 98cm
  • 腰幅 39cm
  • 銀冠 直径 23cm
  • 高さ 56cm
  • 衣 長さ 85cm
  • 肩袖幅寬 115cm
  • ズボン 長さ 102cm
  • 腰幅 85cm

このデザインの服飾を身に着けている苗族は「河辺苗」と呼ばれており、主に清水江沿岸の台江県の施洞鎮をはじめ施秉県双井鎮・剣河県五河鎮・鎮遠県金堡等の地に居している。彼らは船をこぐ櫂作りと商いに長け、また刺繍、及び銀飾加工に優れている。河辺苗の刺繍は素手で刺繍をする「破線繍」工芸でその名が知られており、図案には魂が籠もっていて、大胆豪快、且つ天真爛漫な趣がある。この服飾も苗族が普段良く身に付けている銀飾支系の一つで、殊に「泡項圏」は普通三点以上重ねて付ける。「泡項圏」は苗族自らが創作した銀の飾りで、水泡幻化から来た美しい女神「仰阿莎」に源を発すると言われている。

梭嘎苗族女性盛装

二十世紀中期

梭嘎苗族女性盛装
  • 衣 長さ 102cm
  • 肩袖幅 123cm
  • ズボン 長さ 77cm
  • 腰幅 44cm
  • 髪飾り 高さ 28cm
  • 幅 60cm

この服飾を身に纏っている苗族は、六つの特区に分かれており、納雍県や織金県等の地は「箐苗」の分支である。族中の女性達は頭上に立派な長角果と言うかんざしを挿しており、地元では「長角苗」とも称している。この衣装の源は六枝特区の梭戛郷俊村で、女性の盛装である。また当地の成年女子の髪型は変わった特色を有している。まず、2kgもするかつらを「∞」字の形に結い上げた後に、一本の白色の毛氈(もうせん)のひもで髷を木の櫛に括りつけ、頭上に載せるが、これを「戴角」と称している。こうした目印は、すでに成人し、社交活動に参加できることを示している。

納雍県苗族少女密繍背扇衣

二十世紀後期

梭嘎苗族女性盛装
  • 衣 長さ 132cm
  • 肩袖幅 58cm
  • ズボン 長さ 88cm
  • 腰幅 150cm

このデザインの服飾を身に着けている苗族は、主に畢節市の織金県、黔西県、納雍県一帯に集中しており、「歪梳苗」の一分家で、女性の髷に木の櫛を斜めに挿すことで名を得ている。歪梳苗族の女性はろうけつ染めに秀で、また線盤刺繍・鎖繍い・挑花にも優れている。族内の女性がスカートを穿く方法も特別である。幅が広くて長い布で下半身を巻き、足腰部分は折りたたむ。未婚の少女は、「花山節」等などの盛大な祭りの催しに於いて、背中に負ぶい紐を着けた民族衣装が際立つ。未婚の少女が成人になる前は、負ぶい紐を作り、成人になった後、男女の若者達が配偶者を探す「跳花」の時に、背中に着けたおぶい紐は、想いを伝える象徴であり、同時にプロポーズの意を暗示しており、当地特有の民族婚を反映している。

鎮寧県扁擔山布依族女性服飾

二十世紀中期

鎮寧県扁擔山布依族女性服飾
  • 衣 長さ 61cm
  • 肩袖幅 115cm
  • ズボン 長さ 83cm
  • 腰幅 98cm

この衣装の源は鎮寧県扁擔山村で、布依族の若い女性が身につける正装の衣装である。この一派の布依族は安順市鎮寧県・関嶺県・普定県・紫雲県・黔西南州の晴隆県、及び六盤水市の六枝特区・水城県・盤県・畢節市の威寧県・織金県一帯に居住している。婚前の女性はおさげ髪を結い、花の織物の頭巾をかぶる。結婚後はしばし実家に留まり、新郎側の女性が、新婦のすきを見計らい、強引にその髪を解き、「甲殼」に変えた後、夫の家で暮らすことになる。「甲殻」は一種の帽子で、形はチリトリに似ており、竹の皮でかたどり、青い布を結び合わせて作る。髪に付ける時には更に花柄のスカーフも添えるが、これは布依族の女性の結婚した後の目印となる。

黎平尚重侗族女性盛装

二十世紀中期

黎平尚重侗族女性盛装
  • 衣 長さ 68cm
  • 肩袖幅 102cm
  • ズボン 長さ 43cm
  • 幅 106cm

このデザインの衣裳をまとう侗族は、黔東南州榕江県の晩寨・平保・高路・黎平県の尚重・蓋保・洋洞・順寨等の自然村寨(以上の俗称は「四十八寨」侗族区域)、及び剣河県の格里・柳開等に住んでいる。彼らが住んでいる地域の数から、「四十八寨侗」と言われている。この地の民族衣装は緑色が特徴だ。この衣装の源は黎平県尚重侗寨であり、侗家の女性達が結婚式や客の送迎、或いは祭りの時に身につける豪華な衣裳である。この衣裳は冬物のデザインで、肩掛けは中国古代、殊に、明・清時期に流行したデザインを伝承している。

三都水族女子嫁入り衣装

二十世紀後期

三都水族女子嫁入り衣装
  • 衣 長さ 88cm
  • 肩袖幅 138cm
  • ズボン 長さ 94cm
  • 腰幅 52cm

このデザインの衣裳を身にまとう水族は、三都水族自治県の中和鎮一帯に居住している。この衣裳は、水族の青年女子の所謂ウェディングドレスで、それ以外の時は銀の飾りを付ける。衣裳の花模様は、水族の女性達が得意とする馬尾繍と挑花刺繍で仕上げられている。

從江県西山瑤族婦女服飾

二十世紀中期

從江県西山瑤族婦女服飾
  • 衣 長さ 103cm
  • 肩袖幅 124cm
  • ズボン 長さ 70cm
  • 腰幅 46cm
  • 帽子 高さ 55cm
  • 幅 60cm

貴州の瑤族は従江県西山鎮・翠里鄉・毗連の広西融水県瑤族村寨に居住しており、「盤瑤」族の一派に属している。盤瑤青年女子は、婚礼の際、頭に杉の木の皮と内側を杉の木の板をあつらえた「山架帽」、又の名を「頂板瑤」或いは、「板瑤」と言われる頭巾をかぶる。この瑤族の婦人服は江県西山鎮を源としており、この衣裳を着る時は、よく髷を結うが、まず白黒を交互に織った布は内側に、緑色の刺繍を施したマフラー外側を巻いている。