教化を成し、人倫を助ける──儒家の観点における絵図の大切な役割
9世紀の絵画史家張彦遠は「教化を成し、人倫を助ける」のが、絵画の最も大切な効用だとしています。こちらのコーナーの展示作品を見ると、そのような考え方が実践されていたことがわかります。『二十四孝』や「袁安臥雪」などの故事画は、道徳倫常について一般大衆を教え導く内容となっています。また、『帝鑑図説』や「渭浜垂釣」などの故事画は、皇帝がそこから学び、手本としてくれるよう期待したものです。異なる時代の画家たちが描き続けた忠孝節義の物語は時代を経る中で選別され、代々受け継がれてきた儒家文化の真髄が反映されています。