メインコンテンツへ移動
:::

特別展関連エピソード

豆知識 1 「南薫殿」と「帝后像」

 乾隆12年(1747)、皇帝と后、功臣らの肖像画が「茶庫」に収蔵されているのを見つけた乾隆帝は、状態を確認して表装するように命じました。修復作業は乾隆13年(1748)に完了し、その中の帝后像を「南薫殿」へ移して保管することになりました。現在、その9割以上の帝后像が本院に収蔵されており、功臣像は北京故宮博物院に残されています。

 明代に建てられた南薫殿は、武英殿西南の独立した庭園内に位置しています。内部の木材や彩色は全て明朝の遺物で、大変貴重なものです。殿内には広々とした5間があり、明間と次間には赤い漆が塗られた木閣が設置されており、5層ある木閣に歴代皇帝像が奉られています。東室には歴代皇后像が奉られ、西室には明代帝后の冊宝が収蔵されています。

豆知識 2 270年前の「故宮で文物の修復をする」

 現存する帝后像の大部分は乾隆13年(1748)に表装し直されたものです。当時、乾隆帝はそれらの帝后像の表装に、八弁纏枝花紋の模様がある、金色と明るい黄色の布地を選びました。再表装された後の「題簽」には、帝后の廟号のほか、修復年月日「乾隆戊辰年重装」も記入されました。また、各帝后像軸のサイズに合わせ、雲龍頭紋の黄綾で「橐」(収納袋)も制作し、南薫殿で大切に保管することにしたのです。乾隆帝がいかにこの歴代帝后像の整理や修復を重視していたかがわかります。

TOP