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展示概要

 「権力」は、目で見ることができるものなのでしょうか。

 権力は捉えがたいものですが、往々にして視覚的なイメージに付加され、強大な影響力を発揮します。本特別展の主役─「帝后像」は、歴史上の人物を描いた単なる肖像画とされがちですが、実はこれらの帝后像自体が、権力を凝縮した「かたち」の一種なのです。

 肖像画に描かれた帝王と后らは皆、尊く高貴な存在として強大な権力を擁していました。帝王と后の肖像画をどのように描けば、一般庶民とは異なる高貴な身分を明らかに示し、彼らこそが「権力」を掌握している国家元首であることを、観る者に理解させることができたのでしょうか。

 この度の特別展では、南薫殿に収蔵されていた歴代帝后像を精選して展示します。複数の帝后像を同時に展示することにより、各時代の画家たちが、その容貌や姿態、服飾、座具、屏風、装飾模様などの配置や工夫により帝王と后の威容を表現し、「権力」の煌きを放つ肖像画を制作したことがおわかりいただけるでしょう。

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