想像の中の雅集
北宋皇室の駙馬(宝安公主の夫)王詵(1048-1104)は、風雅な盛事として知られる「西園雅集」を邸宅で催しました。当時の著名な文化人─蘇軾(1037-1101)や黄庭堅(1045-1105)、李公麟(1049頃-1106)、米芾(1052-1108)などが貴賓として出席し、後に李公麟が絵図を、米芾が記を著してこの稀に見る盛会を記念しました。しかし、この雅集は架空の出来事で、これを記念した書法や絵画などが流伝したのは、後人による偽造がもたらした結果だったことが、研究により明らかになっています。この雅集の信憑性が討議されることもありましたが、人々の西園雅集への憧憬が薄れることはなく、明代中期になると、大量の模写や偽作が出現するなど、非常に特殊な現象が生じました。