郎世寧(ジュゼッペ・カスティリオーネ/Giuseppe Castiglione)が描いた肖像画には、清朝皇帝や皇后、皇族、功臣などの姿が記録されています。乾隆帝が自身の美意識に基づいて主導する中、顔の正確な描写と遠近感は残したまま、正面から当たる光線の強弱や明暗の違いまで細やかに表現され、立体感もある肖像画が描かれました。「画孝賢半身像図屏」と「画慧賢朝服像図」に署款はありませんが、その技法から郎世寧の作だと考えられます。「画弘暦射猟聚餐図」と「画弘暦挾矢図像」には、満州族の講武習軍の法を顕揚するために、木蘭囲場で狩りをする乾隆帝の様子が描かれています。他の宮廷画家と共作した「親蚕図」四巻には、農業と桑栽培の重要性を示すために、孝賢皇后が西苑で桑摘みや献繭の典礼を行う様子が描かれています。「画阿玉錫持矛盪寇図」と「画瑪瑺斫陣図」には、歴史上重要な戦功が記録されています。これらの作品には史実が記録されており、歴史的意義も有する絵画だと言えます。