古今連線
溥心畬は古代の画家を師として絵画を学びました。古画の臨模を通して各家各派の風格や技法を身に付け、そこから独自の画風を確立しました。溥心畬は早年から晩年まで、生涯に渡って途切れることなく倣古作品を描き続けました。
こちらのコーナーでは、溥心畬の画作5点と古画4点を展示します。「松下賞月」は馬遠(1190-1224に活動)の「松間吟月」、「林巒煙雨」は方従義(14世紀)の「山陰雲雪」に倣った作品です。「臨唐人奚官調馬図」や「臨恵崇野塘画意」、「水閣清寒静似秋」などの作品は、全く同じ構図ではありませんが、韓幹(8世紀)や恵崇(965頃-1017)、唐寅(1470-1524)などの歴代名家の画意を取り入れています。並べて見ると、溥心畬の「臨古」(古画の模倣)と「出古」(古画の模倣から生じた表現)の間にある絶妙な繋がりが強く感じられます。