旅の楽しみ
19 世紀に経済が大きく発展すると、旅行が江戸庶民にとって大切な娯楽の一つとなりました。この旅行ブームの高まりが、風景をテーマとした版画の流行を後押ししたのです。こちらのセクションでは、歌川広重の『東海道五十三次』の代表的な二つの版—保永堂版と隷書版を展示し、様式や画風の変遷を通して、異なる視点から作品を鑑賞していただきます。それにより江戸が日本の中心であったことがおわかりいただけるでしょう。このほか、ヨーロッパで出版された旅行記から西洋人の目に映った江戸の姿をご紹介し、「世界の中の江戸」のイメージをご覧いただきます。