開刃─刃器の発展
人類が金属の冶金技術を獲得する前は、石や骨、蚌(二枚貝の一種)などで鋭利な道具を作っていました。その中でも、堅い石材の表面を磨いて作った刃器は制作にかなりの手間がかかる道具で、武器でもありました。紀元前は兵器と道具の区別が明確ではありませんでした。最もよく見られる石斧は樹木の伐採だけでなく、相手を攻撃するのにも使えました。発掘調査で発見された紀元前の人類の遺骨には矢じりや他の武器による傷痕が残されており、この頃すでに斧や矢じりなどの鋭利な道具が殺傷力のある武器として使われていたことがわかります。このほか、素材選びや制作工程に手間のかかる玉製刃器を所有していたのは、ごく一部の人だけだったことも発掘調査で明らかになっており、当時すでに身分や地位を象徴する物として使われていたことがわかります。