動物画
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明 作者不明 (伝)徽写生翎毛
この巻に表装された2幅は、いずれも工筆重彩の作品である。1幅目の絵に描かれているレイシやクチナシの木に集う7羽の野鳥と1匹の蝶は、大英博物館所蔵の作品と同一の稿本である。しかし、本院所蔵の本作は物象の造形や細部の表現、空間のイメージがより謹厳かつ精確で、多種多様な技法が用いられている。例えば、没骨法でクチナシの枝を、勾勒法で葉を描き、そこに色を用いた渲染を合わせ、物象の繋がりや重なりによって、細い木の枝の硬さや枯葉の質感を表現している。項元汴(1525-1590)らの印章の真正性に基づけば、17世紀の優れた模本だと考えられる。2幅目には、睡蓮の葉が茂る水面に浮かぶオシドリが1幅目よりも精巧な筆致で描かれている。オシドリの造形も精確に描写されており、色鮮やかだが洗練されている。筆法は細緻で変化に富み、鳥の羽根や植物の葉の質感も一つ一つ丁寧に描かれている。水面下に見える鳥の爪も生き生きと表現されており、17世紀の佳作であることは間違いない。