植物画
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元 郭畀 雪竹図
郭畀(1280-1335)、現在の江蘇省丹徒県の人、字は天鍚、号は退思。書画は趙孟頫(1286-1319)と高克恭(1248-1310)を学んだ。
この作品には、厳寒の岸辺で雪に耐えて青々と茂る竹が描かれている。墨で描かれた枯木や竹、石の筆法は全て趙孟頫の模倣で、全体に複雑だが乱れた感はなく、美しく整っており、精確に描写されている。また、背景を薄墨でぼかし、余白で雪を表すことで、広大な空間や幽遠さ、荒涼とした雰囲気、寂寥感が表現されている。竹は雪の重みでたわんでいるが、柔らかにしなって折れることはない。一本だけ生えた木と対比され、竹の頑強さが一層際立って見える。リアリティのある描写だが、詩意に満ちている。