メインコンテンツへ飛ぶ
:::

展示概要

「心を伝える絵─書画に見える人情味」展では、気持ちの伝達を中心に文字や絵画で心情を表現した書画作品を展示します。日常的な書簡のほか、誰かのために創作した詩文や書画作品、贈り物としての絵図などが含まれます。これらの作品は、受取側を大切に思う作者の気持ちが反映されているだけでなく、この交流によってお互いの関係を繋ぎ、親交を深めたいと思っていたこともわかります。

本展は五つのコーナーに分けて展示を行います。第1章「品物に託した思い」では、その贈り物の由来となった絵図や、贈り物に関わりのある尺牘を中心に、人々が社会生活を送る中で、それらの品物に託した思いや友情についてご紹介します。第2章「風雅に心を寄せる」では、文人が好んで描いた山水の風景や竹石、先賢の姿を借りて友人を思う気持ちを伝えたり、高潔な精神を讃えたり、憧憬の念を表現した作品をご覧いただきます。第3章「風景に託した思い」では、画家が実景を見ながらその場で描いた作品─個人の邸宅と庭園、名山勝景などの絵をご覧いただきます。旅行地や個人の住居で描かれた絵は画家の暮らしと密接な関わりがあります。第4章「遠方への旅立ちと別れ」では、間もなく遠方へと旅立つ友人や同僚に向けて、その出立を祝う気持ちを表現した絵や詩を展示します。時代を経ても変わらない芸術や文学の永遠性が当時の情感を伝えてくれます。第5章「長寿を祝う」では、誕生日と長寿を祝う作品をご紹介します。この種類の作品は長い年月を経て変化しつつ発展し、皆さんもよくご存知の象徴的なイメージが形成され、社会文化における共通の願いが反映されています。

これらの展示作品は書画家の思想や才能が見られるだけでなく、当時の社会的儀礼と人間関係の縮図でもあり、人情味溢れるやり取りの具体的な表現でもあります。

TOP