夏の伝説
気温が高く乾燥する季節には伝染病が発生しやすくなります。蛇や虫などの繁殖期にあたる夏の盛り─5月の端午節は太陽が一番高い位置にくる日で一段と暑さが増すため、「毒月」や「悪日」とされています。端午節は中国南方の民族が龍を祀った節日が始まりだと伝えられています。歴史を経る中で、北方で夏季に行われる病平癒や疫病除けの風俗と融合し、更には南方の屈原や伍子胥、曹娥などの歴史上の人物をこの日に偲ぶようになりました。また、菖蒲とヨモギを吊るし、五色線を身に付け、蘭湯で沐浴し、粽を食べ、雄黄酒を飲み、龍舟競漕を行い、除災招福を願う形で各地に広まっていきました。