展覧日期:2014/08/01~
陳列室:106
「集瓊藻」とは清の乾隆帝が所蔵していたある多宝格の名称で、貴重ですばらしい品物をたくさん集めるという意味があります。当博物院が収蔵する珍玩類の文物は琺瑯、服飾、文具、漆器、法器、彫刻、多宝格など各種が含まれ、種類は多岐にわたり複雑で、精良なものばかりです。しかも収蔵数が豊富なため、清朝宮廷における収蔵品の重要な一面を担っています。本展覧は「珍」と「玩」を展示の主軸とし、「珍」のテーマでは希少で貴重な素材と稀に見る超絶な工芸で作られた文物をご紹介し、「玩」では巧妙な意匠と精緻で古雅なつくりで賞玩者の心を虜にする作品を展示致します。
当博物院が所蔵する珍玩類の多くは宮廷で使用されていた日用品です。あるものは祭祀の儀式や外交上の贈り物に用いられ、またあるものは式典で身に付ける装身具や寝室内の化粧道具、客間の置物や書斎の卓上に見られる文房具や賞玩物、さらにはこれらの珍玩を収める箱に至るまで、どれひとつ取ってもデザインは巧妙であり、つくりが精緻なものばかりです。
珍玩は複数の材質を組み合わせたものが多く、金銀、宝石、竹・木・牙・角、硯や墨などを中心とし、中には銅、磁、玉を素材とした意匠を凝らした作品も含まれています。このように複数の素材を併用し、さらにさまざまな工芸技術を一つの作品に応用しているため、工芸の極致の美を呈することができます。また、装飾のテーマについては歴史の典故、民俗伝説、縁起を担いだ図案などを取り入れており、中国文化の礎に深く浸透しながら生活の中に荘重かつ優雅な趣と楽しさを添えてきました。