十二支のお話
「十二支」は、アジアで広く知られている文化の一つです。私たちが生まれた時から始まるいろいろな習わしと、十二支の動物たちは深い関わりがあります。大昔、玉皇大帝(中国の神様)は、自分の年がよくわからなくて困っている人間たちのために、動物たちに「十二支」を決める競争をさせて、早く着いた順にその動物の年を決めることにしました。この昔話の主人公はネズミと猫と牛です。ネズミは寝ている猫を起こそうとしましたが、ぜんぜん起きなかったので、しかたなく牛といっしょに出発しました。そして、ネズミはゴールの前で牛の背中からとびおりて一番になりました。そのせいで、ネズミと猫は仲が悪くなりました。この展覧会では十二支の動物の絵といっしょに、かわいい猫の絵もかざられます。白黒の水墨画ときれいな色の絵があります。昔の絵もあるし、新しい絵もあります。ぜひ皆さんも故宮に来て、いろいろな動物の絵を見てください。自分の干支の絵を探してみてくださいね。
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宋人霖雨図
絵の真ん中に、身体がくすんだ金色で四つ爪の龍がいます。もくもくした黒い雲でいっぱいの空中で、とぐろを巻いて浮かぶ龍は、左下の海中にいる蛟龍(水の中に住んでいる龍)を見ています。四つ爪の龍の身体は、うねうねと動いているように見えます。龍の身体の細かいところまでよく見ると、かたそうな白い毛がたくさん生えていたり、不思議な生き物の特徴がよくわかります。
龍のイメージはいろいろな意味を表します。龍はおめでたい生き物で、帝王や皇室のしるしでもあります。大昔の本には、龍は水の神様の乗り物だったと書いてあります。もっと後になって、雨や海の水を操れる神様になったそうです。『西遊記』という本に出てくる龍王は、深い海の底にある龍宮に住んでいて、海の中の全てを取り仕切っています。