各地結ぶ大道
古代の交通路線図の中で、省や府、州、県などの地方行政区分図を兼ねる図の場合、各都市を結ぶ道理図が最多であるのは間違いありません。これらの道里路線は時代の推移につれて表現方法に変化が見られます。例えば、明代に制作された地図の道路は違う色の実線で示されていますが、清代になると、特に清代中期以降は点で点線を繋げてから着色してあるものが大半を占め、黄色もあれば、赤もあり、決まりはありません。こちらのコーナーでは、3台の展示ケースに分けて展示品をご覧いただきます。第1期は欒城県と望都県の県志及び県図─「河南開封府道里図」と「浙江省海塘図」を展示します。第2期は東光県と聊城県の県志及び県図─「直隸通省輿地全図」と『江南各道府図表』に含まれる池州府、広徳州の2図を展示します。各図の制作及び作画年代は14世紀初期もあれば、20世紀初期のものもあり、制作年代に大きな開きがあります。道路の書き方の違いのほか、伝統的古地図の様式の変化も見られます。