ブランドの物語─乾隆帝の文物コレクションと包装の美,展覽日期:2017/12/08-2018/03/07,陳列室:105,107
ブランドの物語─乾隆帝の文物コレクションと包装の美,展覽日期:2017/12/08-2018/03/07,陳列室:105,107
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乾隆帝お気に入りのコレクション

乾隆帝は自身が収蔵する宝物をとても大切にしていました。乾隆朝では美術品や各種各様の収納箱を絶えず工匠らに作らせ、時には収納箱の仕切りやデザインを変更させることもありました。皇家の収蔵品と骨董品がぎっしりつまった小箱が互いに映えて、どこに目をやっても一つ一つがすばらしい、独特の包装の美と文化が形成されたのです。第3章の展示品には、書画作品の表装様式とその素材、作品に合わせた別子(笹止め)、美術品をくるむ布と木箱、古籍や書物類の装丁様式、この時代に誕生した携帯に便利な宮廷版の巾箱本などがあり、玉器や銅器のサイズに合わせて作られた収納箱は書冊や画巻、古琴の形にデザインされています。このほかに東洋の漆器を改造した愛らしい小箱などもあり、細部の様々なこだわりや精緻な布地の典雅な趣を見ると、乾隆帝の鑑賞と収蔵は、お気に入りの品々を幾度も手にとり、繰り返し眺めて楽しむ行為から来ていることがわかります。そこから観賞と陳列、保存という三つの機能を併せ持つ包装様式が派生的に誕生したのです。

  • 《御製詩初集》

    清 高宗撰,蒋溥等奉敕編

    《御製詩初集》

    1. 清乾隆十四年内府写袖珍本
  • 清 官窯 青花梅花蝠耳瓶

    清 官窯

    青花梅花蝠耳瓶

    1. サイズ:高23.4cm、口径8.8cm、低経6.3cm

瓶の口縁部は広く、首は短く、両側には一対のコウモリに似た取っ手がついています。肩は丸く、筒状で、腹部は比較的長く、底部は圏足に繋がっています。器の中は白釉が施され、表面はコバルトブルーを地としています。瓶には白梅が二株描かれており、蕾、或いは開きかかった花の間に沢山の枝が入り乱れています。璧の下方と底には白釉が施されていますが、地につく処は陶胎が露出しており、底には丸が二つ描かれています。

冰魂玉骨を象徴する梅の花は、明末清初以来、非常に流行した文様で、各種のタイプの工芸品によく見られます。乾隆時代に至り、《活計档》の記事を通して、乾隆三年(1738)、九年(1744)、皇帝は続けて、「白紙の横書きの上に冰裂紋を描くべし」との命を下したことを知ることができます。また乾隆朝時代に制作された銅胎画琺瑯器にも冰梅紋を飾りが見られます。これらは冰梅紋が依然として乾隆朝認可の官様紋飾であったことを説明しています。この脈絡から巾箱本《御製詩初集》を見ると、皇帝が冰梅紋の綾絹を表装の布にした理由を理解することができます。

清 乾隆

竹唐草蒔絵双袋盒

  1. 附玉器5点、乾隆御筆書冊、画巻
  2. 長さ12.5cm、幅7.5cm、高さ4.5cm

日本の蒔絵の漆箱は清朝宮廷の各種包裝の中で用いられ、様々なタイプの漆箱に文物が収納されました。この度選んだ作品は比較的小さく、形も特殊で、引き出しの板や錦の布を敷いて文物を置き、清朝宮廷の包装の代表的なものです。〈竹唐草蒔絵双袋盒〉は「博古格」から来たもので、各種古玩の「格」の中に納められました。この蒔絵漆箱から、元は二層の引き出しの付いた漆箱で、上層には木地の引き出しを加えて玉器が収納され、引き出しの後ろは琺瑯彩で西洋の人物を描かれており、下の引き出しには乾隆帝の〈御筆雪梅〉巻、及び〈御臨王帖〉冊が納められていたことを知ることができます。

清 乾隆 竹唐草蒔絵双袋盒