天国の宝蔵─ローマ教皇庁所蔵文物特別展,展覧期間 2016年2月5日至2016年5月3日,陳列室 105、107
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七つの秘跡─サクラメント

「七つの秘跡」はカトリックの大切な儀式の一つです。この儀式を通して信者は神の存在をその身で感じ、その恩寵を授かることができます。「七つの秘跡」の内容は次の通りです。1.洗礼:洗礼によって原罪とそれまでの罪が赦され、カトリック信者の一員となります。2.堅信(振):洗礼を受けた信者は神の恩寵を授かって信仰心をより強くし、神の愛を実感します。3.聖体:キリストの聖体(パン)と聖血(葡萄酒)をいただくことによって、神と信者の結びつきは一層強まり、信仰を深めることができます。4.ゆるし:犯した過ちが神によって赦されます。悔い改めて回心した信者は再び神と他の信者らとともに清らかな信仰生活を送れます。5.病者の塗油:聖なる油を塗って、信者の身体と心の病の痛みや苦しみを和らげて癒します。6.婚姻:一組の男女が互いに助け合い、終生変わらぬ愛を約束します。7.叙階:男性信者は司教や司祭、助祭などの聖職に就け、神と教会、信者に奉仕することができます。教皇聖器収蔵室には、聖杯や聖皿、ピックス(聖体容器)、ミサ用の鈴、小さなロウソク台、水差し、聖体顕示台、聖油入れなどが保管されています。いずれの聖器も教皇が七つの秘跡を執り行う際に用いる祭器です。

「この人を見よ」─レオ13世(在位期間1878-1903)の祭壇画

  1. Eugenio Bellosio製作
  2. 1887年 イタリア ミラノ
  3. 金・銀メッキ、ルビー、ダイヤモンド、エナメル
  4. 長さ29.5cm 幅13cm 高さ7.5cm
  5. バチカン 教皇儀典室所蔵

これはミサで「平和の接吻」を行う際に用いられる聖像牌で、レオ13世の祭壇画の一部である。叙階50周年記念の際にミラノのラファエロ公会より贈られた。このゴシック・リバイバル様式の聖器物は金銀のメッキが施され、宝石や釉薬で彩られている。最上部に尖塔があり、その先端に牧杖を手にした天使が立っている。天使の頭部には水滴形の赤い宝石がはめ込まれている。尖塔の背後は赤と青の釉薬で彩色されており、正面中央にある円形のメダルは赤い宝石を象嵌した青い十字架になっている。

中央に「この人を見よ」の銀製の浮き彫りがある。キリストは胸の前で手を重ね、両手で竹のような植物の茎を持っている。うつむき加減で茨の冠を戴いている。光背にはキラキラと輝く宝石(おそらくごく小さなダイヤモンド)がびっしりと埋め込まれている。左右両側のねじれた柱の上に天使の浮き彫りがある。柱に立つ天使は両手を胸の前で交差している。天使の頭上にも水滴形の赤い宝石が輝いている。中央下部に青い琺瑯を背景にしたレオ13世の紋章がある。その両側に紅い琺瑯を背景にした格子窓のようなゴシック風の装飾がある。紋章の下にラテン語の一文が見える。裏側に植物の蔓のような模様で飾られた持ち手が二つあり、その下にも文字が蝕刻されている。台座の裏にも蝕刻でこの聖器物の作者と由来、製作年代が記されている。

銘文:
a) pacem meam do vobis(私は私の平和をあなたがたに与える。)
b) LEONI XIII / AUREAS SACERDOTALES CELEBRANTI NUPTIAS / SODALITAS OPERARIA MEDIOLANENSIS S.(レオ13世 叙階50周年記念 聖ラファエロ公会)
c) BELLOSIO EUGENIO F. / MILANO 1887(作者名 / 製作地と製作年)

「この人を見よ」─レオ13世(在位期間1878-1903)の祭壇画
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