磁器の鑑賞は器形と釉色─この2点に注目します。一つの器形が出現して変遷する中で、その時代の流行からも影響を受けました。同様に、釉色にも宮廷や一般市場の好みや流行が反映されました。
青磁の焼成は後漢時代に始まりました。それ以前は、窯の中で自然に落ちた灰をかぶって、青釉をかけたようになる焼き物がありました。それを「灰釉陶」、または「原始青磁」と言います。8世紀か9世紀頃、青磁はすでに鑑賞用の大切な美術品の一つと見なされていました。陸羽の著書『茶経』の「類玉」に記載されている詩人陸亀蒙の詩「千峰翠色」は、青磁を比喩的に詠んだ詩です。この度の特別展では、12世紀から14世紀に制作された青磁を展示いたします。汝窯の天青釉から南宋官窯の冰裂紋、龍泉窯の梅子青、貫入に覆われた哥窯の磁器まで、産地も制作年代も異なる磁器はそれぞれ違った個性があります。
同様に、窯跡から採集された標本を通して、釉の下に隠された秘密を解き明かします。薄胎厚釉や厚胎薄釉、平らに整えられた高台、装飾のない素朴な磁器など、様々な制作法がありますが、これらの特徴は鑑賞しながら記憶し、参考とすべき重要な依拠となります。本特別展では、鴻禧芸術文教基金会及び国立台湾大学芸術史研究所にご協力を賜り、同会及び同研究所所蔵の標本も展示されます。