朝星の如く貴き――清朝宮廷に所蔵された12~14世紀の青磁特別展
朝星の如く貴き――清朝宮廷に所蔵された12~14世紀の青磁特別展
:::

青磁の砕器

素地と釉薬の収縮率の違いによって生じる釉表面のひび割れを「開片」(貫入)と言います。この「貫入」という特徴を持つ作品─それが文献にも記述がある「砕器」です。青釉を施したものはもちろん「青磁の砕器」と言うことができます。貫入のひびは自然に生じるものですが、着色によってひび割れをより鮮明にすることもできます。


明朝の文献によれば、処州に陶器を作る章という姓の兄弟がいて、兄が焼いた陶器は哥窯と言われ、貫入のひび割れがあったそうです。明・清代の鑑賞家は貫入を大切な鑑賞ポイントの一つとしました。明代の高濂はその著書『遵生八牋』で、貫入のひび割れを「冰裂鱔血」と「梅花片墨紋」、「細砕紋」の3種に分類しています。清朝の乾隆帝は漢字音の語呂合わせで、哥窯の磁器に見られる「裂」紋と「烈」を重ねて説き、「恰如烈士善循名」という詩句を詠みました。貫入は烈士の象徴となったです。


「哥窯」は特定の一地域で作られたのでしょうか。それとも複数の窯跡があるのでしょうか。文献には、処州(現在の浙江省龍泉県)と杭州鳳凰山(現在の浙江省杭州市)─この二つの地名が見られます。浙江省龍泉県大窯と小梅窯で貫入のある青磁が焼造されていたのが発掘調査でも明らかになっています。また、老虎洞窯の元代の地層から出土した官窯タイプの青磁が、清朝宮廷旧蔵の哥窯器に似ていることから、老虎洞窯を哥窯とする説も現れました。


南宋 官窯 青磁蓮瓣洗

南宋 官窯 青磁蓮瓣洗 (「殿」の銘あり)

高さ4.4cm 口径15.5cm 底径9cm


南宋 官窯 青磁龍紋盤

南宋 官窯 青磁龍紋盤

高さ4.2cm 口径18.5×18.7cm 底径11.5cm


南宋 官窯 青磁花式洗

南宋 官窯 青磁花式洗

高さ4.3cm 口径17.8cm 足径11.2cm