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王家の息子による復讐と歴史の創造

『金瓶梅』には厳嵩の息子厳世蕃(1513-1565)の贅沢な暮らしと淫蕩ぶりを当てこすったような箇所が多く、王世貞が復讐のために書いた小説である可能性が高いでしょう。また、厳世蕃の処刑後まもなくして完成した戯曲『鳴鳳記』は、厳嵩父子の汚職と専横、その一党が国家と人民にもたらした損害についてより明確に記されており、この作品も王世貞とその門人らの傑作とされています。『鳴鳳記』の上演と『金瓶梅』という小説の流行に加え、王世貞が執筆した『嘉靖以来首輔伝』は明史の基礎を築き、厳嵩父子の奸臣というイメージは人々の心に深く刻み込まれ、歴史書にも永遠に記録されることになったのです。王世貞は文化界での強大な発言力と史学の才能を生かし、文学と歴史の著作を通して、終に父の仇を討ったのです。家難と官界での不遇が王世貞を芸文の創作と評論に向かわせ、明代晩期の繁栄もまた王世貞の観察や著述によって後世に伝えられ、王世貞が領導したことにより、新たな見解が生まれたのです。

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    • 明 佚名 鳴鳳記
    明 佚名 鳴鳳記_プレビュー

    明 佚名 鳴鳳記

    • 第1期 10.5(水)-12.25(日)

    『鳴鳳記』には明代嘉靖年間に朝廷に仕えた夏言(1482-1548)や楊継盛(1516-1555)など、8名の忠臣や諫臣が登場し、専横の限りを尽くした厳嵩(1480-1567)父子の暴虐に怯むことなく、徹底して抗い続ける。劇中の人物の多くは実名で登場し、一部のエピソードも史実を元に脚色されており、中国古代戯曲発展史、或いは文学史において、その時代の重大な政治事件の全貌が反映された初めての文学作品だと言える。この戯曲が世に出ると、長期にわたって繰り返し再演され、稀代の悪人厳嵩に対する評価とイメージは人々の心に深く刻み込まれた。このような文学の影響力によって「善人が極悪人の厳嵩を成敗した」ことが広く伝えられ、明、清以来、多くの研究者が『鳴鳳記』の作者は王世貞とその門人だとしている。

  • 明 王世貞 嘉靖以来内閣首輔伝
  • 明 王世貞 嘉靖以来内閣首輔伝
  • 明 王世貞 嘉靖以来内閣首輔伝
明 王世貞 嘉靖以来内閣首輔伝_プレビュー

明 王世貞 嘉靖以来内閣首輔伝

  • 第1期 10.5(水)-12.25(日)
  • 明 王世貞 嘉靖以来首輔伝
明 王世貞 嘉靖以来首輔伝_プレビュー

明 王世貞 嘉靖以来首輔伝

  • 第2期 12.28(水)-3.21(火)

四庫全書に収録されている『嘉靖以来首輔伝』は明万暦刊本で、原名は『嘉靖以来内閣首輔伝』という。王世貞の重要な作品の一つである。

史学は王世貞の著述活動における重点の一つであり、歴史的な観点から世事について論評している。明代初頭に丞相制度が廃止され、別に内閣が置かれて政事の補佐を行ったことから、自ずと内閣は重要な地位を占めることになった。この書物には明世宗、穆宗、神宗─三朝の閣臣の事跡が記録されているほか、関連の人物についても触れており、各人物の伝記が鮮明な筆致で描写されている。王家の仇敵である厳嵩(1480-1567)父子の伝記が占める割合は非常に大きく、その内容に関しては物議を醸したが、後人が厳嵩父子の功過を判断する上で重要な資料となっている。

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