天方からの影響
15世紀における明代宮廷とイスラム世界との接触及び交流は、双方の視覚文化と物質文化の融合を更に促進させました。そこには、外形の模倣や紋飾の流布、釉色の発展などを辿れる手がかりが見え隠れしており、遠方からもたらされた影響と双方の交流の軌跡が見て取れます。
- 元 霽青杯盤
- 故瓷017371
- 故瓷017370
この小ぶりで精緻な藍色のカップとソーサーは14世紀に流行した器形で、このカップの内側には十二芒星の団花模様が金彩で描かれていた。15世紀以前の陶工が、イスラム図案の表現手法を参考にして制作したものであることが明らかに見て取れる。
- 明 永楽 青花穿蓮龍紋天球瓶
- 故瓷011423
長い首と丸く大きな器身を持つ天球瓶。1425年頃に創出された新しい器形で、イスラム世界に輸出されたことがあり、トルコとイラン王室の所蔵品にもなった。
- 明 宣徳 青花卷草斜格網紋蓋缶
- 故瓷011443
この磁器製の灯(ランプ)の造形はアラジンの魔法のランプを連想させる。鄭和率いる船団はイスラム教を信仰する国々を幾度も通過したことがあり、エジプトのフスタートでは陶製油灯の破片が多数出土していることから、このように持ち手のある、受け皿付きの灯具は、15世紀の交流によりもたらされたものであることがわかる。
- 明 宣徳 青花花卉紋灯
- 故瓷005957
この磁器製の灯(ランプ)の造形はアラジンの魔法のランプを連想させる。鄭和率いる船団はイスラム教を信仰する国々を幾度も通過したことがあり、エジプトのフスタートでは陶製油灯の破片が多数出土していることから、このように持ち手のある、受け皿付きの灯具は、15世紀の交流によりもたらされたものであることがわかる。
- 明 永楽 青花人物紋如意耳扁壺
- 故瓷012549
この扁壺の器形からは中央アジアと西アジアの陶器やガラス器の影響が見て取れる。丸い胴には、楽器を奏で、舞い踊る人物が描かれている。その顔の輪郭や衣服は異国のもので、人物の姿態や組み合わせを見ると、この細密画からおおよその来歴が知れる。