展示作品解説
梁 張僧繇 五星二十八宿神形図

唐 王維 江干雪意図

唐 呉道玄 送子天王図

宋 李成、王暁 読碑窠石図

宋 郭熙 観碑図

宋 郭熙 観碑図
- 国立故宮博物院蔵
郭熙(1023頃-1087以降)字は淳夫、河南省温県(現在の河南省焦作市温県)の人。北宋神宗熙寧年間(1068-1077)の画院芸学。山水画をよくし、画法は李成を学んだ。
この絵には平遠の寒林と松の木、枯木が描かれている。二人は碑石を眺めているところで、右側手前にいる四人は鞍を置いた馬の傍らで傘蓋を持ちながら控えており、人物の表情は生き生きとしている。曹操(155-220)と楊修(175-219)が曹娥碑に刻された事蹟を読んでいる場面だと思われる。作者の款印はない。画中の捲雲皴と蟹爪の技法は郭熙から伝わるものだが、筆墨や構図、画風など、いずれも明人の作風に近い。
この絵には平遠の寒林と松の木、枯木が描かれている。二人は碑石を眺めているところで、右側手前にいる四人は鞍を置いた馬の傍らで傘蓋を持ちながら控えており、人物の表情は生き生きとしている。曹操(155-220)と楊修(175-219)が曹娥碑に刻された事蹟を読んでいる場面だと思われる。作者の款印はない。画中の捲雲皴と蟹爪の技法は郭熙から伝わるものだが、筆墨や構図、画風など、いずれも明人の作風に近い。
宋 郭忠恕 明皇避暑宮図

宋 郭忠恕 雪霽江行図

宋 燕文貴 江山楼観図

宋 燕文貴 江山楼観図
- 大阪市立美術館蔵
燕文貴(10世紀後半-11世紀前半)。山水画は巨嶂式の重量感ある高山を多く描き、細密な描写に清潤な趣がある。
巻首には川の中洲や青々と生い茂る雑木、まばらな家屋が描かれており、中景には遠山が長々と連なり、雲霧に覆われた水面が広がっている。巻末には高山が重なり、その中につづら折りの山道が見え、楼閣や東屋が彩りを添えており、丹念に描かれた様々な景物が巧みに配されている。手巻の本作は、北宋山水画特有の平遠、高遠、深遠という複雑な空間構成が見られ、極めて独創的である。細密な用筆に絶妙な配置、小さな絵の中に広大な世界が表現されており、観る者を魅了せずにはおかない。
巻首には川の中洲や青々と生い茂る雑木、まばらな家屋が描かれており、中景には遠山が長々と連なり、雲霧に覆われた水面が広がっている。巻末には高山が重なり、その中につづら折りの山道が見え、楼閣や東屋が彩りを添えており、丹念に描かれた様々な景物が巧みに配されている。手巻の本作は、北宋山水画特有の平遠、高遠、深遠という複雑な空間構成が見られ、極めて独創的である。細密な用筆に絶妙な配置、小さな絵の中に広大な世界が表現されており、観る者を魅了せずにはおかない。
宋 燕文貴 渓山楼観

宋 胡舜臣、蔡京 送郝玄明使秦書画合璧

宋人 寒林待渡

宋 蘇軾 書尺牘

宋 米芾 致景文隰公尺牘

明 明人 停雲館法帖(第五冊)

民国 溥儒 七猿図

宋 徽宗 渓山秋色図

宋 徽宗 渓山秋色図
- 重要古物
- 文化部により指定(2012年10月)
- 国立故宮博物院蔵
重なる山々や川岸の斜面に生い茂る樹木が描かれており、周囲は薄墨でぼかされている。たなびく雲霧や川の流れで叙情的な詩意に満ちた山水の境地が表現されている。画上に宋徽宗帝趙佶(1082–1135)の花押と印記「御書」も確認できるが、徽宗がよく用いる印ではなく、偽印の可能性がある。実景の多くが画面の左半分に集中しており、堂々たる主峰の雄大な姿を描く、北宋の巨嶂山水画とは異なっている。
画風を見ると、南宋初期頃に制作された作品と思われ、細緻な筆法には李郭派の筆墨や淡墨を用いた文人的な趣も感じられる。南北宋の画風の変転を代表する作品であり、重要な芸術性も備わっている。
画風を見ると、南宋初期頃に制作された作品と思われ、細緻な筆法には李郭派の筆墨や淡墨を用いた文人的な趣も感じられる。南北宋の画風の変転を代表する作品であり、重要な芸術性も備わっている。
宋 徽宗 晴麓横雲図

宋 米友仁 遠岫晴雲図

宋 龔開 駿骨図

宋元人 名賢宝繢冊

唐 盧鴻 草堂十志図

宋人 臨盧鴻草堂十志図

宋人 散牧図

元 銭選 品茶図

清 姚文瀚 画売漿図

元 王淵 鷹逐畫眉

元 方従義 太白瀧湫図

明 王紱 画山亭文会図

明 王紱 画山亭文会図
- 重要古物
- 文化部により指定(2008年12月)
- 国立故宮博物院蔵
王紱(1362-1416)、字は孟端、号は友石生、九龍山人など。墨竹画と山水画を得意とした。元末明初の重要な画家。
1404年の作品。山林の静かな住まい、涼亭での雅集、谷間を流れる川に浮かぶ舟などのモチーフが描かれており、桃源世界への憧れが表現されている。構図は複雑だが、主要なものと付随的なものが分けてあるので、閉塞感はない。全ての物象が輪郭を取ってからぼかしてあり、渇筆から濃墨まで、入り組んではいるが乱れはない。その中に王蒙(1308-1385)、呉鎮(1280-1354)の風格が融合し、清らかで心地よく、素朴な味わいがある。まごうことなき傑作である。
1404年の作品。山林の静かな住まい、涼亭での雅集、谷間を流れる川に浮かぶ舟などのモチーフが描かれており、桃源世界への憧れが表現されている。構図は複雑だが、主要なものと付随的なものが分けてあるので、閉塞感はない。全ての物象が輪郭を取ってからぼかしてあり、渇筆から濃墨まで、入り組んではいるが乱れはない。その中に王蒙(1308-1385)、呉鎮(1280-1354)の風格が融合し、清らかで心地よく、素朴な味わいがある。まごうことなき傑作である。
明 唐寅 梅花図

明 唐寅 杏花図

明 文嘉 琵琶行図

明 趙左 竹院逢僧図

明 楊文驄 秋林遠岫図

清 惲寿平 花卉冊

明 張瑞図 抜嶂懸泉図

王建章 雲嶺水声図

清 朱耷 彩筆山水図

清 傅山 断崖飛帆図

清 高鳳翰 山水花卉図冊

清華嵒 秋声賦意図

清華嵒 秋声賦意図
- 大阪市立美術館蔵
華喦(1682-1756)、福建上杭(現在の福建省竜岩市上杭県)の人。字は秋岳、号は新羅山人、離垢居士など。人物、山水、花鳥、草虫、いずれにも優れていた。清代中葉に活動した揚州画派の著名な画家。
空高くかかる明月、豆粒のような灯り、言葉を交わす主人と家僕、翻る木の葉─欧陽修(1007-1072)「秋声賦」の一場面そのものである。「私は童子に言った。『これは何の音だろう?外に行って見てきておくれ。』童子は答えた。『月は明るく、星はきらめき、空には天の川が見えます。この辺りで人の声はしません。あの音は林の中から聞こえてくるんです。』」題識によれば、1755年に制作された作品である。
空高くかかる明月、豆粒のような灯り、言葉を交わす主人と家僕、翻る木の葉─欧陽修(1007-1072)「秋声賦」の一場面そのものである。「私は童子に言った。『これは何の音だろう?外に行って見てきておくれ。』童子は答えた。『月は明るく、星はきらめき、空には天の川が見えます。この辺りで人の声はしません。あの音は林の中から聞こえてくるんです。』」題識によれば、1755年に制作された作品である。
清 蔡嘉 古木寒鴉図

清 王雲 倣李営丘寒林鴉陣図

清 王雲 倣李営丘寒林鴉陣図
- 国立故宮博物院蔵
王雲(1652-1735間は健在)、字は漢藻、江蘇高郵(現在の江蘇省揚州市高郵)の人。人物や楼閣の描き方は仇英(1494頃-1552)に近い。康熙年間(1661-1722)に内廷に仕え、「康熙南巡図」の制作にも参加し、江南や淮南地区で名を馳せた。清代初期の著名な揚州画家である。
山間を流れるせせらぎと寒林、靄の中に夕鴉が描かれている。近景の斜面を描く皺法は細かいが、背景の山崖は大きく筆を走らせてぼかされている。「寒林」という題材の多くは北宋の画家李成の画風に関連があるため、この作品も「倣李営丘筆」と題されている。渦巻状に群れをなして巣に帰る鴉が夕焼け空に映え、強烈な視覚効果を生み出している。
羅孫萍踪氏寄贈。
山間を流れるせせらぎと寒林、靄の中に夕鴉が描かれている。近景の斜面を描く皺法は細かいが、背景の山崖は大きく筆を走らせてぼかされている。「寒林」という題材の多くは北宋の画家李成の画風に関連があるため、この作品も「倣李営丘筆」と題されている。渦巻状に群れをなして巣に帰る鴉が夕焼け空に映え、強烈な視覚効果を生み出している。
羅孫萍踪氏寄贈。
清 銭杜 虞山草堂歩月詩意図

明 戴進 松岩蕭寺図

明 呉偉 寒山積雪

明 邵彌 雲山平遠図

清 石涛 東坡時序詩意図冊

清 蒋廷錫 藤花山雀図

清 高其佩 天保九如図

清 高其佩 松蔭牧馬図

清 高其佩 松蔭牧馬図
- 国立故宮博物院蔵
高其佩(1660-1734)、号は且園、遼寧鉄嶺(現在の遼寧省鉄嶺市)の人。指画(指頭画)を得意とし、「揚州八怪」の李鱓(1686-1756)、高鳳翰(1683-1749)などに影響を与えた。
この作品には、風の吹きすさぶ山中に傾いて立つ2株の松の木や、風を受けて翻る竹の葉が描かれている。景色のよい場所を尋ねて来た人物は手を背中で組み、腰を曲げている。目元には笑みが浮かんでいる。その後ろにはロバを牽く侍童がいる。ロバは手綱を嫌がり抗っており、その姿が楽しそうな主人と対比をなしている。全体に濃墨と飛白が交錯し、線には勢いがあり、気の向くまま、随意に指や爪を使って描いたのがわかる。
この作品には、風の吹きすさぶ山中に傾いて立つ2株の松の木や、風を受けて翻る竹の葉が描かれている。景色のよい場所を尋ねて来た人物は手を背中で組み、腰を曲げている。目元には笑みが浮かんでいる。その後ろにはロバを牽く侍童がいる。ロバは手綱を嫌がり抗っており、その姿が楽しそうな主人と対比をなしている。全体に濃墨と飛白が交錯し、線には勢いがあり、気の向くまま、随意に指や爪を使って描いたのがわかる。