美術史に名を残した女性たち
父系社会の下、「天尊地卑」という観念は男性学者により定義され、「男尊女卑」という考えが、性別による地位の高低を決定したのです。誤りが正されることなく正当化されたこの種の説は、本来のバランスや調和的な関係を破壊したばかりか、伝統文化や伝統的観念の一部にもなり、数千年もの間、女性の役割を位置づけたのです。「絵画は嫘(舜の妹)から始まった」と伝えられますが、圧倒的多数の「彼女」たちは美術界に埋没し、氏名を残すことさえかないませんでした。古代の女性たちは外出すら容易ではありませんでしたが、それでも「彼女」たちの多くはあらゆる束縛を振り払い、その才能を発揮して、男性中心の芸術史において一つの地位を獲得したのです。
こちらのコーナーでは、宋代から清代までの美術史に名を残した「彼女」たちの作品─清朝宮廷に収蔵された芸術の成果を、絵画、書法、緙絲と刺繍に分けてご覧いただきます。このほか、民国以降の女流画家の作品もご紹介し、「女性は無才である」とした旧時代的な思考を正し、より多くの女性たちがその才を発揮して自己を確立できるよう、エールを送りたいと思います。