天地開闢
遥か遠い昔、混沌とした世界を目の当たりにした人々は、なぜ太陽は昇り、なぜ月は満ち欠けを繰り返すのかを知りたいと思っていました。そして、神話が万物の働きや宇宙の秩序を理解するための手段になったのです。
こうした想像をめぐらす中で、漢代の人々は秩序だった死後の世界のイメージを作り上げました。まだ「地獄」というものが存在しなかった時代に、人は死ぬと太陽と月が交互に現れ、陰と陽が調和する世界に行くと、人々は信じていました。太陽の中には金烏がいて、月の中には玉兎がいるという理想郷で、そこでは神々と人間がともに暮らしているのです。伏羲と女媧は人類の始祖とされ、手に規と矩を持ち、天と地の理を定めたとされます。崑崙山の頂に住んでいる西王母は、死後の世界の秩序を司り、不老不死の薬を管理し、魂の帰る場所を守護すると言われます。