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展示作品解説

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  • 漢 君宜侯王双魚画像装飾瓦当墨拓

    紙本墨拓
    葉公超氏寄贈

    この瓦当拓本に見られる双魚の描線と篆書の文字、それを囲む円の線は全て陽紋で、円形の瓦当の表面に突出している。図案は左右対称で、中央には4文字の吉語「君宜侯王」があり、その両側に今にも動き出しそうな魚が1匹ずつ配されている。魚の口からは釣り糸が伸びており、ちょうど今、釣り上げられたばかりの魚がピチピチと跳ねているように見える。吉語と魚の図案の組み合わせは漢代の洗(手洗い用の水を入れる器)によく見られる。図案の形に多少の違いはあるが、当時、好まれたデザインの傾向がわかり、高い地位や厚禄、子々孫々にわたる繁栄を望んだ古代の人々の願いも反映されている。

  • 晋 王羲之 孝女曹娥碑

    紙本
    重要古物

    後漢時代に、溺死した父の遺体を捜し出した曹娥(130-143)の孝行を記念するため、人々は曹娥が川に身を投げた場所に廟を建立し、石碑を建てた。この碑の文辞が非常によく書けていたことから、それを見た書法家の蔡邕(132-192)が工夫に富んだ謎の言葉を残し、それが時代を越えて語り継がれる逸話となった。「曹娥碑」は王羲之(303-361)の書と伝えられる。小楷で書いてあり、用筆は簡潔で、字形は幅が広くやや扁平である。この碑の伝世版本は多数あるが、若干の違いが見られる。古くから王羲之の名で流伝したことから、後世の書家に大きな影響を与えた。

  • 元 鮮于枢 論張旭懐素高閑草書

    重要古物
    紙本

    鮮于枢(1246-1302)、字は伯機。詩文をよくし、音律にも精通していた。書法にも優れ、書画や古器の鑑定もした。元代の書画家趙孟頫(1254-1322)は次のように述べている。「伯機は私より遙かに優れていた。私も全力を尽くしたが、それでも追いつけなかった。」趙孟頫がどれほど鮮于枢を高く評価していたのかがよくわかる。
    この作品の内容は唐宋代書家の草書と法度の関係についての論述である。唐代の張旭(675頃-759)や懐素(8世紀中後期)、高閑(生没年不詳)に加えて宋代の黄庭堅(1045-1105)などについて取り上げ、宋よりも唐の書を尊いものとしている。全体に筆勢が途切れることなく連貫し、運筆にも力がこもっており、懐素の草書の影響が見て取れる。

  • 明 沈度 隸書帰去来辞

    紙本
    重要古物

    沈度(1357-1434)、明代永楽年間から宣徳年間初期の宮廷を代表する書法家。篆書や隷書、行書など、各種書体に優れていた。永楽帝(1360-1424)に高く評価され、「我が朝の王羲之」と讃えられた。
     「帰去来辞」は東晋の詩人陶淵明(365頃-427)の代表作。名利を求めず、田園でのどかに暮らす楽しみが描写されており、文人たちが憧れる理想的境地とされた。この作品の隷書は字形がやや長めで、筆法は力強く快活、点画は規則的で平らに整えられ、結構は隙間なく詰まっている。質朴とした古意のある隷書によって、陶淵明の詩の風雅な趣が表現されている。

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