明 作者不明 (伝)趙孟頫書蘇軾古詩
趙孟頫(1254-1322)、字は子昂、号は松雪、鴎波など。元代以来、最も影響力のある文人書画家であり、鑑賞家の一人でもある。
この巻には蘇軾の古詩「次僧潜見贈」が書かれている。洗練された滑らかな運筆、勁健な線、些かの停滞感もない。結字は斜めに傾き、右肩上がりとなっており、趙孟頫が晩年に学んだ李邕(678-747)の書法の特色が見られる。しかし、筆法と結体の変化が小さく、例えば、入筆と右肩には方筆を多用しており、縦画の鉤や「水」、「不」などの造形が重複している。乾隆帝の跋語に誤りはなく、本作及び題跋はいずれも明代の「偽好物」である。