故畫1128 紙本 国宝
今期の「国宝鑑賞」では、沈周『写生冊』の画作十六開と題識一開を展示します。これらの絵には花果や家禽、蝦蟹、猫、驢馬など、日常的な景物が描かれています。沈周は優れた観察力で、日常でよく目にする物象の姿を巧みに捉え、清雅な文人趣味を表現しています。筆墨は小気味よく伸びやかで、墨色も変化に富んでいます。物象の造形は簡潔ですが趣深く、構図や配置に独自の工夫が見られるなど、沈周の写意花鳥画を代表する作品です。本冊は2014年4月25日に国宝に指定されました。