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展示作品解説

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  • 宋 法常 写生

    法常(13世紀頃)、俗姓は李、号は牧渓、四川の人。走獣画や山水画、人物画をよくした。装飾的な表現はなく、簡潔に描かれている。

    この巻は法常の墨戯の作を模倣したもので、様々な花や野菜、果物、鳥類などが描かれている。気ままに筆を走らせ、ごく自然に写生しているように見えるが、花の一輪、葉の一枚に至るまで、全てに生気溢れる精緻な表現が見られる。巻頭の水墨による牡丹は没骨法で描かれている。花弁や葉の重なる箇所が白く残されており、筆遣いはもちろん、墨の置き方も雅緻に富み、諸家の画風を取り入れているだけでなく、法常独自の画風も見られる。

  • 元 倪瓚 楓落呉江図

    倪瓚(1301-1374)、江蘇無錫の人、字は元鎮、号は雲林または迂翁。裕福な家庭に生まれ、清閟閣を建て古書画を収蔵した。特に山水画に優れ、元四大家の一人に数えられる。

    款識によれば、至正丙午(1366)の秋─66歳の時に制作した作品である。構図は「一河両岸」で、樹木と東屋の前後に川が流れており、大きく開けた風景に清らかな雰囲気がある。川岸の斜面は中鋒から側鋒に転じた折帯皴法で描いてあり、積み重なる岩石の質感が表現されている。秀抜な画技により描き出された風景に静謐な趣が漂う。

  • 清 聶璜 海錯図

    「海錯図」は4冊が伝えられている。第1冊の序文に次のような一文がある。「時康熙戊寅(1698)仲夏、閩客聶璜存庵氏題於海疆之釣鰲磯。」聶璜、銭塘(現在の浙江省杭州市)の人。南北各地を20年近く遊歴した。康熙丁卯(1687)に「蟹譜」を描いた。その後、これまで見聞した様々な海の生物を描き、それらを「海錯図」としてまとめた。本院は第4冊を所蔵しているが、款印はない。カブトガニや巻貝、カニ、エビなどの海洋生物が描かれており、楷書の題名と賛文も付いている。

  • 清 董邦達 摹王蒙幽林清逸

    董邦達(1699-1769)は乾隆朝の詞臣画家を代表する人物である。山水画で乾隆帝に認められ、五代の董源、明代の董其昌と同等に論じられた。

    この絵は王蒙の「幽林清逸」を臨模したものである。両者を比較して見ると、董邦達は原作の構図やモチーフをほぼ忠実に模写しているが、最大の違いは筆墨にある。董邦達の絵に見られる披麻皴と、濃厚な点苔は原作よりも随意的で目を引く。披麻皴を用いて伝統的画風を改めて解釈することへの強い自信がうかがえる。

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