清 陳兆鳳 博古花草
陳兆鳳(生没年不詳)、字は夢岐、花鳥画に優れていた。光緒7年(1881)に七品頂戴を授けられ、高齢で退官するまで20数年もの長きにわたって内廷に仕えた。
背が高く、口が外側に開いた磁瓶に紫色の藤や桃の花などが生けられている。花器の外側は全体に宝蓮花紋で、肩は蕉葉紋、器身の開光(飾り窓風の装飾模様)には水墨山水画が描かれており、非常に凝った作りとなっている。ガラスの金魚鉢には蝶尾の金魚が水草の間を悠々と泳ぐ姿も描かれている。紫色の藤に宝瓶、金魚の模様は財宝や吉祥、平穏無事の象徴で、縁起のよい品として清朝宮廷内に置かれていた。