元 趙孟頫 書禊帖源流
趙孟頫(1254-1322)、字は子昂、号は松雪道人、浙江呉興(現在の浙江省湖州市)の人。書法では復古を提唱し、後世に絶大な影響を与えた。
この作品は友人の野翁の求めに応じたもので、姜夔(1155-1221)の「蘭亭考」が小楷で書かれている。古樸な味わいと典雅な趣のある書風で、結字は「蘭亭」に倣っており、形は楷書だが、行書の質感がある。「亭」という字が10回も現れるが、最後の「亭」は横鉤から横豎鉤に変えられ、通常の楷書とは異なるが、その淵源は魏晋或いは更に早い時代まで遡れるものかもしれない。