「百年の追憶-写真で振り返る故宮紫禁城と文物の遷移」特別展
「百年の追憶-写真で振り返る故宮紫禁城と文物の遷移」特別展
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展示概説

一瞬を永遠に留める。それが写真の力のひとつであり、撮影技術の発展がその特性を大いに発揮させました。1839年に光学原理による画像の永久保存技術が発明されると、瞬く間に世界を風靡し、レンズを通した各民族の歴史や文化があっという間に全世界に伝えられました。画像技術の普及が各国の距離を縮めることになったのです。写真は従来の図や文字の制限を突破し、その瞬間の真実を捉えることができます。このような強烈な視覚的インパクトにより、写真は時代を記録する最高の媒介となりました。

撮影は一種の芸術です。様々な人、事、時、場所、物の情報を留めるばかりでなく、豊かで生き生きとした時代の有様をも映し出し、従来の図像と文献ではとうてい及ばない影響力と震撼力を生み出すことができます。発明されて間もなく、撮影技術は清代末期の中国にも伝わり、南方沿岸地域のマカオ、香港、広州から上海と内陸部へと広まっていきました。そして百年にわたり、写真は近代中国における新旧思想の激しいぶつかり合い、伝統文化と外来勢力の交錯と摩擦、清代末期から民国初期にかけての政権や主導者の交替、社会の変遷など様々な移り変わりを記録してきました。

本展覧は百年前の紫禁城をテーマに「皇室と貴族」、「最後の皇帝と王妃たち」、「皇室の教師と友人」、「宮殿と御苑」及び「時代の革新」、「清末民初の社会模様」、「故宮の建設と文物の遷移」など七つのコーナーから成ります。北京故宮博物院と著名カメラマン荘霊氏より借り受けた四百余枚の歴史写真、及び当博物院が所蔵する関連史料と古写真を通じ、皇室一族のかつての日常生活や宮殿建築の雄壮な景観、新旧社会の様々な人々、清末新政の活気に満ちた様子を伝えるとともに、紫禁城が博物館へと変遷する過程、そして宮廷の秘蔵コレクションが抗戦の戦火を逃れて南遷し、ついには海を渡って台湾に運ばれた艱苦な道のりをご紹介します。

この百年間、時代は大きく移り変わりました。過ぎ去った時代が写真によってよみがえり、見覚えのある顔も、昨日起こったかのような出来事も、どれも過去の事物であるのに、すべてがありありと映し出されています。一枚一枚の写真に隔世の感慨を覚えることでしょう。