唵嘛呢叭咪吽―国立故宮博物院所蔵チベット仏教文物特別展,展覧期間 第一檔2016年5月3日至2016年7月31日,第二檔2016年8月6日至2016年11月6日,北部院区 第一展覧エリア 103、104
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三転法輪

《蔵文大蔵経》は、チベット伝来の仏教思想を記録した書物で、三宝の一つの、「法宝」で、《甘珠爾(カンギュル)》と《丹珠爾(テンギュル)》の二つの部分に分けられます。前者は、「釈尊が説き伝えた教法のチベット語訳本」で、またの名を「正蔵」とも称されます。後者は、「釈尊の弟子と後代論師の《甘珠爾》に対する論述、及び注釈を含むチベット語訳本」で、またの名を「副蔵」と言います。これまで抄写、刊行印刷された《蔵文大蔵経》は、全てが《甘珠爾(カンギュル)》を主としており、チベット文の《龍蔵経》は、その中の一つです。計1057種の経典が収められており、釈尊の一生三轉法輪の教法を金剛果乗の密続と有相因乗の顕教経典に大別し、「秘密部」・「般若部」・「宝積部」・「華厳部」・「諸経部」・「戒律部」の六部に編成されており、《漢文大蔵経》の「経蔵」と「律蔵」に相当します。

華厳部

  1. 蔵文写本龍蔵経華厳部[Li函] 清康熙八年内府泥金蔵文写本
  2. 蔵文写本龍蔵経華厳部[I函] 清康熙八年内府泥金蔵文写本

計六部の中の一種。本経の正式名は《大方広仏華厳経》、又の名を《耳厳経》と言う。八世紀中葉、インドの論師ジナミトラ(Jinamitra)・シーレンドラボーディ(Surendrabodhi)・チベット人の翻訳者エセイデ(ye shes sde)の三者により共訳された仏教経典で、計130巻(或いは115巻)45品。前44品は、漢訳80巻《大方広仏華厳経》的前38品に相当する。また、第45品は三十九品〈入法界品〉に相当する。漢訳よりも多く編集されているのは第11品〈如來耳厳品〉、及び第32品〈普賢菩薩所說品〉である。內容は主に、開顕毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)と一切聖道菩薩の不可思議な事業、国土、親族と世界荘厳で、同時にまた、「事法界」・「理法界」・「理事無礙」・「事事無礙」の思想を述べている。

華厳部