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展示作品解説

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  • 宋 李迪 「風雨帰牧」

    • 形式:絹本 着色
    • サイズ:120.7×102.8cm

      李迪は12世紀後半に活動した画家で、文献によれば、花鳥や竹石、走獣などの題材を得意としていた。南宋宮廷を代表する重要な画家。
      この作品には、二人の牧童が風雨の中、慌てて牛を追いながら帰宅する様子が描かれている。前方の牧童は身体をかがめ、笠の端をつかんで深くかぶり、風に抗いながらひたすら前に進んでおり、後ろにいるもう一人が牛の背から跳び降りて、落とした笠を拾いたそうにしているのにも気づいていない。2頭の牛は前後に位置しており、前方の牛は後ろを振り返り、後方の牛は頭を上げ、対照的に描かれている。慌てふためく牧童と落ち着き払った牛がおもしろい対比をなしている。人間と牛の行動を意図的に描写することによって、画面に描かれた事象の真実性を高めており、観る者に自分もその場にいるかのように感じさせる。注目したいのは、本来は牧童が世話をすべき牛が、牧童を守る役目を果たしている点である。牛の主役としての地位が強調されると同時に、擬人化もされており、画中の人間と牛に対する同情を誘い、より豊かな情感が溢れ、観る者の共鳴を呼ぶ。
      この絵の構図は横方向に展開している。人物や牛の動作と表情、ゴワゴワした蓑、柔らかな牛の毛、硬い牛の角、薄く軽やかな柳の葉、風を受けて翻る雑草、葉先の尖った蘆葦などが、細かく緻密な線で描かれている。前景は細部まで詳細に描写されているが、背景には何一つない空間が広がっている。このような「前実後虚」の表現に時代的な特色が見られる。画家はこうした手法を用いて、風雨によって制限された人間の視野を表現し、薄暗い雰囲気をかもし出している。それと同時に、背景に何があるのかを観る者が想像し、想像力によってその人だけの詩意が生まれることも暗に示している。

展示作品リスト

年代 作者 作品名 形式 サイズ(cm)
李迪 「風雨帰牧」 絹本 着色 120.7×102.8
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