展示作品解説
-
高句麗 好太王碑
- 形式:軸
- サイズ:291.5x65.7 cm
この高句麗第19代国王の墓碑拓本は414年に吉林省集安市に建立された。高句麗の神話のほか、好太王が百済と倭国、東夫餘を破り、新羅を救ったなどの功績が記録されている。守陵に関する規定も合わせて記されており、東北アジアの早期歴史を研究する上で重要な資料の一つである。書体は隷書にも楷書にも見え、筆法はかなり簡潔で素朴な味わいがある。波磔は少なく、用筆は方円、線の太細などの変化が見られる。字形は文字の並びに合わせて、多くが長方形か扁平な方形となっている。間架は整っているが、細かな点は気にしておらず、それが古拙な趣を高め、崇敬の念もまた強く感じられる。
-
民国 張光賓 層巒畳巘(右1)、山重水複(右2)、廬山高(右3)、古柏行(右4)
- 形式:軸
- サイズ:375×47.5、369×47.5、378×47.5、379×47.5 cm
張光賓(1915-2016)、号は于寰、癡翁など。書画家、美術史家。
この四幅は全て2008年に制作され、張氏から本院に寄贈いただいた。細長い画幅に重なり連なる山々が描かれており、樹木や川、飛沫をあげる滝、小さな家屋─幽谷の風景が広がっている。まず先に中鋒、渇筆で物象の輪郭を描いてから線の内側を墨点で埋め、山石の立体感と重量感が表現されており、雲水の清浄さと神秘性が際立っている。遠くから眺めると、伝統的な水墨画の詩意を感じるが、近くで見ると抽象的だが理性的で、モダンな雰囲気がある。一幅だけ見ても、遙か遠くまで山々が連綿と続くように見えるが、四幅合わせて見ると、大地を鳥瞰しているかのようで壮観である。
展示作品リスト
年代 | 作者 | 作品名 | 形式 | サイズ(cm) |
---|---|---|---|---|
高句麗 | 好太王碑 | 軸 | 291.5x65.7 | |
唐 | 玄宗 | 石台孝経 | 軸 | 293x115 |
民国 | 荘厳 | 臨好太王碑 | 冊頁 | 33.2x24.2 |
民国 | 張光賓 | 山重水複 | 軸 | 369×47.5 |
民国 | 張光賓 | 層巒疊巘 | 軸 | 375×47.5 |
民国 | 張光賓 | 古柏行 | 軸 | 379×47.5 |
民国 | 張光賓 | 廬山高 | 軸 | 378×47.5 |