展示作品解説
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宋 馬遠 画雪景
- 形式:軸
- サイズ:256.3x101.7cm
真っ白な雪の中に屈強な松の木が聳え、山間に建つ家屋が見える。騎馬の訪問者が橋を渡り、そちらに向かっているところである。その傍らには寒さに身を縮める従者がおり、寒意が画面全体を覆っている。下方に「馬遠」とあるが、筆法から判断するに、明代の画家の手による作であろう。樹木の枝の画法と山石の斧劈皴にかろうじて馬遠の余韻が残されている。
馬遠(1195-1224)、南宋寧宗朝院画家。馬遠の山水画は画面の一角に景物が偏った作品が多いため、「馬一角」とも言われる。 -
清 王翬 千巌万壑図
- 形式:軸
- サイズ:254.1x103 cm
王翬(1632-1717)、常熟(現在の江蘇省常熟市)の人。字は石谷、号は耕煙散人。王時敏(1592-1680)に師事して山水画を学んだ。清初四王の一人に数えられる。
高々と聳える山々が重なりながら連なり、広大雄壮な勢いのある画面となっている。木々の中に古刹が見え隠れし、散策する僧侶の姿も見える。水際で櫂を漕ぐ漁師がこの幽境に趣を添えている。滑らかな皴擦で描かれた山石の質感に淡雅な色調が加わり、山水の豊かな美しさや潤いが表現されている。 -
清 董邦達 江関行旅
- 形式:軸
- サイズ:228x70.4 cm
董邦達(1699-1769)、浙江富陽(現在の浙江省杭州市富陽区)の人。字は孚存、号は東山。雍正朝進士、官は礼部尚書に至った。
うねるような曲線を描く高山と急流が描かれている。険しい桟道と山道を進む旅人の姿もあり、下方には旅舟と粗末な旅舎がある。「擦」と「染」で丁寧に描かれた山石の質感はどっしりと重厚な感があり、筆墨の味わいに満ち、倣古の雰囲気が濃厚に漂っている。元人ならではの筆墨の精神を深く会得している。
展示作品リスト
年代 | 作者 | 作品名 | 形式 | サイズ(cm) |
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宋 | 馬遠 | 画雪景 | 軸 | 256.3x101.7 |
明 | 文伯仁 | 呉山春霽 | 軸 | 232.8x42.7 |
清 | 王翬 | 千巌万壑図 | 軸 | 254.1x103 |
清 | 沈宗敬 | 双松図 | 軸 | 267.4x96.8 |
清 | 鄒一桂 | 墨妙珠林(未) | 冊 | 63x42.4 |
清 | 董邦達 | 江関行旅 | 軸 | 228x70.4 |