展示作品解説
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元 呉志淳 墨法四首
- 形式:冊頁
- サイズ:29.4X58.4 cm
呉志淳(14世紀頃活動)、詩人、篆刻家。特に隷書を得意とした。
この作品は自作の七言絶句四首が章草で書かれている。得がたい良作を讃え、友を懐かしんでいる。一つ一つの文字は独立し、字形は緩やかである。点と短い横画は重く、捺筆の波磔が目立ち、隷書の余韻が感じられる。それとともに康里子山(1295-1345)の法も取り入れており、長く引いた線、右肩上がりの文字、中宮の引き締まった字形が多く見られる。方筆が多用され、「転」よりも「折」が多い。作者の才華が充分に発揮され、剛健な気風と険峻の美に満ちている。元代末期から明代初頭における、古代の書風を当代に生かした章草書の佳作である。