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展示概要

 国立故宮博物院が所蔵する書画作品は芸術性の違いによって「国宝」と「重要古物」、「一般古物」の3種類に分類されています。民国97年(2008)から行政院文化建設委員会(文化部の前身)古物審議委員が、故宮で開催された書画展覧会の度に実物を精査した上で書面による審議を行い、その結果を国宝と重要古物指定の参考とし、指定作品が公告されました。現在は国宝指定作品も大幅に増加し、全国一の数量を誇っています。

 故宮が推進した所蔵作品の等級分けの成果をご覧いただくため、民国109年(2020)から正館107陳列室を「国宝鑑賞」専用の展示室とし、毎回2点の国宝指定書画作品を選出して展示することとなりました。展示期間は3ヵ月間を原則とし、定期的に作品を交換する予定です。「70点の展示制限付き書画作品」に分類される作品の場合、展示期間は42日間のみとなります。

 展示される国宝指定作品はいずれも美術史上名高い傑作揃いです。名品の鑑賞を通して、国宝指定作品への理解を深めていただき、歴史ある文化財に対する保護意識を高めることを目的としています。

展示作品解説

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  • 宋 蔡襄 書尺牘

    • 形式:冊
    • サイズ:24.7x27.1 cm
    • 2013年1月、認定及び公告

     蔡襄(1012-1067)、字は君謨、福建仙遊(現在の福建省莆田市仙遊県)の人。
     本作は、紙の名品─澄心堂紙を求めた書簡である。書体は行書と楷書の間にあり、用筆と結字は虞世南(558-638)、顔真卿(709-785)の書風がおおよそ融合している。澄心堂紙は五代南唐烈祖李昪(888-943)が宣城の職人に命じて作らせたものと伝えられる。表面は卵膜のようで、紙質は玉のように硬く清らか、肌理細かくて薄く、潤いと光沢があるという。蔡襄は大量に所持したようで、その執着ぶりは尋常ではなく、「紙は李王の澄心堂紙が天下一である」と讃えている。

  • 宋 梁楷 溌墨仙人

    • 形式:冊
    • サイズ:48.7x27.7 cm
    • 2011年4月、認定及び公告

     梁楷(13世紀)、山東東平(現在の山東省泰安市)の人。南宋の宮廷画家。朗らかで酒を好み、礼法に捉われることなく、自ら梁風子と号した。
     画中の人物の頭部と五官は細筆で輪郭が描かれている。衣服は水墨をたっぷり含ませた筆を豪快に走らせ、簡潔な筆致で形が表現されている。乾隆帝の詩文には「宴の後の酩酊した仙人」と形容されており、これが作品名の由来となったのかもしれない。しかし、禅宗の散聖のイメージを描いたものとする説もある。この種の禅意に富んだ表現手法は、日本の僧侶や庶民に好まれ、日本の禅画にも大きな影響を与えた。

展示作品リスト

年代 作者 作品名 形式 サイズ(cm)
蔡襄 書尺牘 24.7x27.1
梁楷 溌墨仙人 48.7x27.7
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