展示作品解説
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伝 五代南唐 周文矩 画明皇会棋図
- 形式:卷
この絵には、唐代宮廷で皇帝が囲碁を打つ様子が描かれている。龍椅(皇帝の玉座)に腰掛けた玄宗の前に碁盤が置いてあり、官員や僧侶、道士、侍従、内官が対局を観戦している。赤い袍服の人物が前に進み出て何か意見を述べている。袍服の背に丑角(芝居の道化役)の模様があることから、優伶(役者)だと思われる。乾隆帝は題詩で、「明皇は楊貴妃を甘やかして好き放題させ、囲碁を打っている最中に犬が邪魔をしても放っておいたという。それが後に政局の混乱を招いたのだ。」と批判している。全体に淡く趣ある着色が施され、衣服の線も丁寧に描かれており、人物の表情も生き生きとしている。
本作に名款はなく、南唐の周文矩(10世紀頃活動)の作と伝えられるが、画風は元代の任仁発(1255-1327)に近い。