寄贈名品展─現代書画精選,展覧期間: 2019.07.01-09.25,会場: 208
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展示概要

 国立故宮博物院は民国54年(1965)に外双渓に開設されました。開院以来、積極的にコレクションの拡充に努めており、毎年、予算を計上して新しい作品の購入を進めているほか、美術品受贈に関する規則も定め、本院コレクションの方向性に合致する作品であれば、収蔵家の皆さまに作品をご寄贈いただき、広く一般公開することをお勧めしております。

 こちらの陳列室には、これまでご寄贈いただいた作品と寄託作品の中から精選した作品を展示しています。寄贈文物に関する研究の深化と普及を目指すとともに、多くの皆さまに文化遺産を鑑賞していただくことを目的としています。この度の特別展では、台湾で活動した7名の書画家─黄君璧 (1898-1991)、台静農 (1902-1990)、林玉山(1907-2004)、王壮為(1909-1998)、傅狷夫(1910-2007)、姚夢谷(1912-1993)、江兆申(1925-1996)の作品を中心に展示を行います。作品をご寄贈くださった皆さまの無私の精神に感謝申し上げるとともに、全ての人々が共有する博物館となれるよう、今後も各界の皆さまのご協力とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

展示作品解説

民国 黄君璧

蒼崖飛瀑

  1. 形式:軸
  2. サイズ:53.8x90.2 cm

 黄君璧(1898-1991)、本名は韞之、号は君璧、名ではなく号で知られる。広東南海(現在の広東省仏山市)の人。来台以降、台湾の水墨画壇の発展に大きな影響を与えた。近代の著名な画家であり、芸術教育者でもある。 
 作者は伝統的な筆法を充分に会得している。款識によれば、この絵は嘉陵江の滝を描いた作品である。筆墨は滑らかだが力強く古風な趣があり、神秘的な雲霧の変化まで見事に表現されている。抗戦時期に移り住んだ四川で、巴蜀の山河の美を自身の目で捉えた黄君璧は、大自然の眺めをあますところなく描写している。
 黄君璧氏寄贈。

民国 台静農

草書故国神遊

  1. 形式:軸
  2. サイズ:44.4x68.7 cm

 台静農(1902-1990)、字は伯簡、晩年の号は静者、安徽霍邱(現在の安徽省霍邱県)の人。複数の大学で中文系教授を歴任。近代の著名な文史学者で、書法家としても知られる。
 この作品は草書で「故国神遊、多情応笑我、早生華髪」と書されている。抑揚、提按する線は韻律感に満ちている。熟達した運筆、型破りの配置、力強さが漲る独特の書風は、倪元璐(1594-1644)の険勁な運筆、古雅な趣の影響を受けたと思われる。
 台静農氏寄贈。

民国 林玉山

怒涛海禽図

  1. 形式:鏡框
  2. サイズ:48.6x63 cm

 林玉山(1907-2004)、台湾嘉義県出身。民間の画家に啓発され、19歳で日本に留学して美術を学んだ。台湾の水墨画と東洋画を代表する画家。
 船上から海を眺めた経験から、写生や造境の題材に台湾の海景を描くようになった。この作品には、東西絵画の筆墨や明暗の描写、色彩表現が融合されており、厚く塗り重ねられた岩石の色が、活力溢れる場景を造りだしている。激しくぶつかりあう波、その間を軽やかに舞い飛ぶ海鳥が、老練な筆法で描かれている。
林伯亭氏寄贈。

民国 王壮為

環島紀遊詩

  1. 形式:軸
  2. サイズ:132.4x67.4 cm

 王壮為(1909-1998)、本名は沅礼、号は壮為、河北省易県出身。1949年、国民政府に従って来台。台湾の篆刻界に影響を与えた。その功績は極めて大きい。
 大禹嶺から合歓山(花蓮県)の山間を流れる雲を眺めた際、「環島紀遊詠雲詩」を詠み、翌年、その詩を書にした。全体に清逸な趣が漂い、その内に北碑の雄渾かつ質朴とした味わいがある。清雅な中に純朴な姿が見え、柔美な内に洒脱な勢が感じられる。
 財団法人云辰文化基金会寄贈。

民国 傅狷夫

対高嶽

  1. 形式:軸
  2. サイズ:182x90 cm

 傅狷夫(1910-2007)、浙江省杭州市出身。書画ともに優れた芸術家。1949年に来台し、当時の美術界に絶大な影響を与えた。
 中国の伝統に造詣が深い書画家だが、台湾の山岳地帯や雲海、波涛を描き、新たな山水画の技法を発展させた。この作品は「裂罅皴」と「染漬法」で阿里山の山並みが描かれており、高く険しい峻峰と雲海に覆われた山景が表現されている。台湾的な特色が強い流派の創始者であるため、「台湾山水の代弁者」と称される。
 傅狷夫氏のご遺族より寄贈。

民国 姚夢谷

高嶺雲深

  1. 形式:軸
  2. 尺寸:181.3x90.5 公分

 姚夢谷(1912-1993)、江蘇省泰州市出身。呂鳳子などの名家に絵画の手ほどきを受け、水墨山水画と花鳥画を得意とした。政府に従って来台し、「中華民国画学会」を設立。詩人、書画家として知られ、芸術評論家としても活動した。
 シアトルからカリフォルニアへ向かう空路の途中、飛行機の窓から見下ろした山景を描いた作品。巧みな筆致でぼかされた雲霧が趣深く、その潤いは米芾の雲山のようである。古典的で清秀な画面に文人らしい雰囲気が漂う。庚戌(1970)の作。
 張蓉秀氏寄贈。

民国 江兆申

八通関

  1. 形式:鏡框
  2. 尺寸:146x75 公分

 江兆申(1925-1996)、字は茮原、安徽省歙県出身。詩書画印のいずれにも精通していた。元国立故宮博物院副院長。
 南投県東埔の八通関古道の風景を描いた作品。構図はごくシンプルで、没骨山水の画法を用いている。前景は赭石、後景は石緑で着色されており、寒々とした山景と鬱蒼と生い茂る樹木が対称的に表現されている。景物の切り取り方や配置、色彩と墨韻の処理など、塵芥が洗い流されたように清新な雰囲気に満ちている。
 章圭娜氏寄贈。

展示作品リスト

朝代
作者
品名
形式
サイズ(cm)
民国
黄君璧
蒼崖飛瀑
53.8 x 90.2
民国
台静農
草書故国神遊
44.4x68.7
民国
林玉山
怒涛海禽図
鏡框
48.6x63
民国
王壮為
環島紀遊詩
132.4x67.4
民国
傅狷夫
対高嶽
182x90
民国
姚夢谷
高嶺雲深
181.3x90.5
民国
江兆申
八通関
146x75