明代末期の文人は、明代初期に宮廷で用いられていた磁器について「永楽、宣徳年間に宮廷で焼造された磁器は、今日になっても貴い。当時は騌眼(表面のピンホール)甜白を常とし、蘇麻離青を装飾に用い、鮮紅を宝とした」と評しました。このことから、清楚でまとまりのあるのが永楽年間製の磁器の特徴と言えます。景徳鎮で製作され、「内府」の銘が入った梅瓶、爵、爵盤、龍鳳文が施されたこれらの磁器は、永楽磁器が宮廷の指定に基づいて製作され、使用されたことを示しています 。珍貴且、「永楽年製」の篆書で刻された款のある紅釉磁器で、純白あるいは軽く模様が入った磁器、および外来のコバルト顔料「蘇麻離青」で模様を描いた青花磁器は、永楽時代に最も注目された三種の磁器です。これらは、純粋で清浄な顔色釉磁器や、龍泉窯で宮廷の様式に従って製作された青瓷と共に、永楽帝が好んだ磁器に特有の形状や風格が感じられます。