現在の国立故宮博物院の建物は民国54年(1965)に落成しました。台北市内に開院以降、本院では積極的にコレクションの拡充に取り組んでまいりました。特別に予算を計上して作品の新規購入をしたほか、作品寄贈に関する規約も新たに制定いたしました。また、本院の基本方針や収蔵品の傾向に合致する作品をお持ちの方に作品の寄贈または寄託をお願いし、それまで世に出る機会のなかった作品も広く一般に公開されるよう努めております。
こちらの陳列室には、これまでご寄贈、ご寄託いただいた作品から一部を選出して展示いたします。これらの作品に関する研究の発展を期待するとともに、貴重な文化遺産を広く公開して、より多くの皆さまにご覧いただきたいと考えております。この度の展覧会では、鳥類や動物の悲しげな表情、驚いた様子などを描写した作品、清代初頭の画家が描いた廬山の風景、民間に広まった郭熙の画風の受容、民国時代の女性画家による扇面の山水画などをご覧いただきます。一般公開の道を選び、作品をご寄贈くださった皆さまに心より御礼申し上げます。また、故宮が誰からも親しまれる博物館となれるよう、各界の皆さまには今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。