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展示作品解説

  • 高句麗 好太王碑

    • 形式:軸
    • サイズ:291.5x65.7 cm

     この高句麗第19代国王の墓碑拓本は414年に吉林省集安市に建立された。高句麗の神話のほか、好太王が百済と倭国、東夫餘を破り、新羅を救ったなどの功績が記録されている。守陵に関する規定も合わせて記されており、東北アジアの早期歴史を研究する上で重要な資料の一つである。書体は隷書にも楷書にも見え、筆法はかなり簡潔で素朴な味わいがある。波磔は少なく、用筆は方円、線の太細などの変化が見られる。字形は文字の並びに合わせて、多くが長方形か扁平な方形となっている。間架は整っているが、細かな点は気にしておらず、それが古拙な趣を高め、崇敬の念もまた強く感じられる。

  • 唐 玄宗 石台孝経

    • 形式:軸
    • サイズ:293x115 cm

     745年、唐玄宗は御書『孝経』序及び注を刻した石碑を太学に建立した。後漢の「華山碑」と魏の「三体石経」に見られる隷書の風格を融合し、横、撇、捺、鉤─左右に伸びやかな文字で、対称的な美が表現されている。強めに押さえて素早く筆を持ち上げる筆法は、豊満で豪邁、英気に満ちている。右上の転折は角張り、撇は短く、竪鉤には楷法も用いられ、方折と出鋒が多い。全体の字形は端正に整い、結構は緊密、余白は均等、文字の列も整然としており、雄俊にして磅礴、大らかな盛唐の気風が感じられる。

  • 民国 荘厳 臨好太王碑

    • 形式:冊頁
    • サイズ:33.2x24.2 cm

     荘厳(1899-1980)、芸術史家、書法家、国立故宮博物院元副院長。
     この冊は1976年に臨写された「好太王碑」である。書体、字形ともに原作とほぼ同じだが、篆書のような隷書で、中鋒円筆を多用している。筆法は逆入平出、蔵頭護尾。線の太細と墨の湿乾に変化が増やされ、味わい豊かな作品となっている。上下の余白は広いが左右は緊密、文字が本来収まるべき枠から外れ、互いにぶつかり合うような章法となっており、素朴で洗練された趣がある。荘因氏、荘喆氏、荘霊氏ご兄弟より寄贈。

  • 民国 張光賓 層巒畳巘(右1)、山重水複(右2)、廬山高(右3)、古柏行(右4)

    • 形式:軸
    • サイズ:375×47.5、369×47.5、378×47.5、379×47.5 cm

     張光賓(1915-2016)、号は于寰、癡翁など。書画家、美術史家。
     この四幅は全て2008年に制作され、張氏から本院に寄贈いただいた。細長い画幅に重なり連なる山々が描かれており、樹木や川、飛沫をあげる滝、小さな家屋─幽谷の風景が広がっている。まず先に中鋒、渇筆で物象の輪郭を描いてから線の内側を墨点で埋め、山石の立体感と重量感が表現されており、雲水の清浄さと神秘性が際立っている。遠くから眺めると、伝統的な水墨画の詩意を感じるが、近くで見ると抽象的だが理性的で、モダンな雰囲気がある。一幅だけ見ても、遙か遠くまで山々が連綿と続くように見えるが、四幅合わせて見ると、大地を鳥瞰しているかのようで壮観である。

展示作品リスト

年代 作者 作品名 形式 サイズ(cm)
高句麗 好太王碑 291.5x65.7
玄宗 石台孝経 293x115
民国 荘厳 臨好太王碑 冊頁 33.2x24.2
民国 張光賓 山重水複 369×47.5
民国 張光賓 層巒疊巘 375×47.5
民国 張光賓 古柏行 379×47.5
民国 張光賓 廬山高 378×47.5
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