清 画院 画十二月月令図 七月
- 形式:軸
- サイズ:175 x 97.2
「月令図」は伝統的な風俗画の一種で、「清院本十二月令図」は計十二幅ある。落款はない。界画と人物を中心に一点透視法で描かれている。円明園の景観を元に月ごとに異なる宮中の暮らしぶりが描写されている。卷棚頂(上部に棟がない形の屋根)と遊廊(庭園や建物を結ぶ回廊)が画面を貫くように描かれている。建物の屋根には厚みと重量感があり、清代皇家の気風や文化の諸様式が見て取れる。
この作品には一般に「七巧節」(七夕)と言われる7月7日の様子が描かれている。画中の女性たちは香案(香炉やロウソクなどを置く机)を出して、「乞巧」─手先が器用になるよう月に祈っている。昔話によれば、牽牛と織姫は七夕の日にだけ会うことができるという。二人のために天の川に橋をかけてくれるカササギの群れにちなんで、庭園の樹木にカササギが描かれている。
清 沈荃 書扇 姜宸英 書扇
- 形式:冊
- サイズ:16.4 x 51.8
荃(1624-1686)、字は貞蕤、号は繹堂や充齋など。江蘇華亭(現在の上海市)の人。康熙9年(1670)に書法で評価されて出仕することとなった。その翌年に侍講となり、南書房に侍した。姜宸英(1628-1699)、字は清溟、号は湛園、浙江慈渓(現在の浙江省慈渓市)の人。康熙36年(1697)、進士に及第。この作品は『名人書扇』に収録されている。上は沈荃の作品で、明代の王世貞(1526-1590)「謝李侍御孟敬恵刻書数種」から七律「贈龍翁老年台」を行書で書いたものである。下は姜宸英が「永嘉老詞兄」のために唐代の王湾(693-751)の五律「次北固山下」を書いたものである。二作とも清代初頭に重んじられた董其昌の書風の影響が見られる。