メインコンテンツへ飛ぶ
:::

展示概要

国立故宮博物院 が所蔵する文物は『文化資産保存法』に基づき、「国宝」と「重要古物」、「一般古物」の3種類に分類されています。国宝も本院で開催される各種 特別展で展示されますが、ご来院の皆さまがいつ訪れても国宝をじっくりと鑑賞できるように、国宝専用の展示スペースを設けて「国宝鑑賞」シリーズと題した展示を行っており、 シーズンごとに書画の国宝1点を専用の陳列室に展示しています。

展示作品解説

永嘉王振鵬畫,妙在界畫,運筆和墨,毫分縷析,左右高下,俯仰曲折,方圓平直,曲盡其體,而神氣飛動,不為法拘。嘗為大明宮圖以獻,世稱妙絕。──虞集(1272–1348)《道園學古錄》

 

界画の第一人者─特権階級に評価された王振鵬

王振鵬(1280頃–1329)、字は朋梅、浙江永嘉の人。極めて精細な界画と白描の人物画で名高く、繊細かつ流麗な線で物象の輪郭を生き生きと描写し、建築物の構造的な奥行きを表現しました。王振鵬はその見事な画芸により元仁宗(アユルバルワダ,在位期間:1311–1320)に高く評価され、「孤雲処士」という名号を賜り、元王朝の上流階級で活動しました。その作品を見ると、王振鵬が交流していたのは当時の著名人ばかりだったことがうかがえます。至大3年(1310)には、要職に就いていた曹伯啓(1255–1333)のために〈宝津競渡図〉を制作しました。また、至治3年(1323)には、皇姉大長公主祥哥剌吉(セング・ラギ)が天慶寺で催した有名な雅集に王振鵬も招かれ、公主の命に従って龍舟競渡を描いた旧作一巻を模写しました。王振鵬の地位の高さがよくわかります。

    • 賜孤雲処士章
      元 王振鵬 龍舟図
      中畫000018
    • 特賜孤雲処士図書
      元 王振鵬 龍池競渡図
      故畫001013
    • 至大庚戌(1310)に王振鵬が翰林承旨曹公のために制作した作品
      元 王振鵬 宝津競渡図
      故畫000971

三月三日金明池,龍驤萬斛紛遊嬉。歡聲雷動喧鼓吹,喜色日射明旌旗。錦標濡沫能幾許,吳兒顛倒不自知。因憐世上奔競者,進寸退尺何其癡。但取萬民同樂意,為作一片無聲詩。──王振鵬〈龍池競渡圖〉(國立故宮博物院藏)

 

大同小異─王振鵬が描いた龍舟図の版本とそのバリエーション

この作品の巻末には「賜孤雲処士章」という印が押してあります。これは作者が王振鵬であることを示しているだけでなく、皇帝から印章を賜ったという栄誉も強調されています。この絵に描かれた楼閣や乗り物は細部まで丁寧に描写されています。主役である龍舟の壮大華麗な姿、その周りを囲む小舟、船上の吏人たちは旗を振ったり、舵を取ったり、太鼓を打ち鳴らしたりと、忙しなく動き回っており、臨場感に満ちています。

本院はこのほかに3点の王振鵬の名が冠せられた龍舟競渡図を所蔵しています。それらの作品の構図や造形は非常によく似ていますが、モジュール化されており、筆遣いに若干の違いも見られるなど、当時の職業工房が集団で制作した作品である可能性を示唆しています。ほかの版本の壮麗さに比べると、この作品は比較的簡素で、墨を使ったぼかしもなく、「宝津楼」の扁額すら書かれていないことから、このタイプの作品の草稿か未完成作品ではないかと考えられています。

興味深いのは、そのほかの版本の龍舟競渡図を見ると、例えば王振鵬の〈宝津競渡図〉(212陳列室にて展示中)は、北宋の『東京夢華録』に描写された金明池での龍舟競渡の盛況ぶりをもとに描かれていますが、南宋の『武林旧事』の水上遊戯や雑技なども取り入れてあり、構想を練る際に異なる時代に行われた祝典の催し物も組み合わせ、そのにぎわいと熱狂的な風景が演出されている点です。

    • 元 王振鵬 龍舟図 (部分)
      中畫000018
    • 元 王振鵬 龍舟図 (部分)
      中畫000018
    • 元 王振鵬 龍舟図 (部分)
      中畫000018

元 王振鵬 龍舟図
絹本
中畫000018
国宝

    • 元 王振鵬 宝津競渡図 (部分)
      故畫000971
    • 元 王振鵬 宝津競渡図 (部分)
      故畫000971
    • 元 王振鵬 宝津競渡図 (部分)
      故畫000971

展示作品リスト

番号 作品名 サイズ(cm) 収蔵番号 段階
1 元 王振鵬 龍舟図 巻 32.9x178 中畫 000018 国宝
TOP