文物紹介
銅胎による甪端(伝説の一角獣)。甪端は博学多聞な上、剛直で何者にもおもねることのない異獣である。『宋書・符瑞志』には「角端(甪端)は1日に1万8千里も移動でき、各地の言語を理解し、聖君が在位すると、遙か遠方のこともよく知る角端が書を携えて現れる。」とある。甪端は清明な政治と国家安泰の象徴とされる。身体が器で、頭部から首にかけてあるたてがみが蓋の縁になっており、身体の上部は口に向かって僅かにすぼまっている。内側には水色の釉が施され、頭部は青地に五官が描かれており、頭頂部に赤い角が1本生えている。僅かに開いた口からは牙がのぞき、首は銅胎によるたてがみで覆われている。身体は白地で、前方は腹部まで赤と青、緑色で身体的な特徴が描かれており、金彩で輪郭が強調されている。身体の両側と後ろには青で勾雲紋が描かれている。足先は赤く、白釉で爪の形が描かれている。