文物紹介
戈と矛を合わせて鋳造した連体戟。戈援には脊があり、そこに直線の稜が3本ある。援の付け根には丸い穴が一つ開いている。援の上部の刃は上方に伸びて矛となり、援の下部の刃は下方に向かって胡となっている。方形の穴が三つ開いている。中央のやや上方に陰文の「侯」1字がある。本院所蔵の侯戟は容庚の旧蔵品で、『頌齋吉金録』によれば、濬県(河南省)で出土したものだという。濬県辛村二号墓でも侯戟1点が出土しており、その戟と銘文が一致する上、形状や様式も似ている。薄く軽量のこの戟は、非実戦用器だったと思われる。